ここから本文です

テレ東・狩野アナが「モヤさま」で学んだこと

東洋経済オンライン 10/16(日) 8:00配信

「半人前」から「一人前」に成長する過程で、人はふつう、多くの失敗を経験します。そして、その失敗を「糧」にできた人が、一人前へと成長します。
しかし、たった一度の失敗に萎縮して本来の実力を出せなくなる人や、プライドが邪魔をして、他人の言葉に耳を傾けられず、成長のチャンスを逃す人も少なくありません。そこで、今年20代を卒業し、10月16日(日)に「モヤモヤさまぁ~ず2」を卒業する『半熟アナ』の著者・狩野恵里アナウンサーに、20代に伝えたい「仕事の向き合い方」について聞きました。

この記事の写真を見る

■何が分からないかを伝えるのも、新人の役目

 新人の頃の私は、失敗ばかりのアナウンサーでした。同期や先輩たちに追いつかなければ、という焦りだけで空回りしていました。自分の中で「アナウンサーはこうあるべきだ」という気持ちが先行して、がむしゃらにやってきたつもりでも、それは周囲から見れば、独りよがりの「自己満足」でしかなかったのかもしれません。

 入社して、半年ほどたった頃です。席で予習などをしている自分に、デスクの先輩から声をかけられました。

 「狩野。そろそろ自分で気づくかと思って見ていたけど、何も変わってないな。おまえ、この半年間、何やってた?  自分に何が足りないのか、自分で考えてみろ」

 いきなりの出来事に、正直戸惑いが隠せません。私は何をやらかしてしまったのだ。誤読?  遅刻?  いや、思い当たることはいまのところない……なんのことを言っているのだろう。

 特定の仕事のことを指すわけでもなく、「自分で考えてみろ」というただその一言。先輩の寡黙な背中に、「おまえはアナウンサー失格だ」と言われている気がしました。

周りから見られる仕事という意識さえなかった

 自分には何が足りないのか。いまになって振り返ってみれば、当時の自分はアナウンサーとしての技術はもちろん、取り組み方や身だしなみ、普段の言葉遣いまで、足りないことばかりだったと分かります。しょっちゅうノーメイクで出社していましたし、ラフな格好ばかりしていました。アナウンサーというものが、周りから見られるものだという意識もありませんでした。

 また、忙しそうな先輩方に発声を聞いてくださいと頼むのは厚かましい。けれど、自分なりに練習してみたものの、その練習方法がまったく的を射ていなかったり……。

 デスクから「考えろ」と言われた次の瞬間から、自分がどうしたらいいのか分からなくなりました。

■それもこれも「言い訳」だと気付いた

 迷った揚げ句、アナウンス部の先輩、水原恵理さんに相談したところ、「いま、何が分からないかを伝えるのも、新人の役目なんだよ」とのお言葉。自分ひとりで、ただがむしゃらに練習をするのではなく、いま、自分がどんな段階にいて、何がわからないかを周りに伝えるのも、新人の仕事だというのです。

 それまでの自分は、わからないことがあっても、上司や先輩に聞くのは申し訳ない。忙しそうな先輩たちに原稿読みを見てくれるように頼むなどというのは畏れ多い。自分のために時間を割いてもらうだなんて、とんでもない!  と思っていました。

 でも、結局のところ、それは自分に都合のいい“言い訳”だったのかもしれません。

 「こんなこともできないのか」と思われるのが嫌で、「教えてください」の一言が言えず、分からないことがあっても、「明日聞こう」と先延ばししていた気がします。

 面倒くさい新人だと思われたくない。恥ずかしい思いをしたくない。そんな変なプライドも、あったかもしれません。何もかもうまくいかないと落ち込んでいる自分に、水原さんはこうも言われました。

 「うまくいくわけがないよ、新人なんだから。入って数カ月で、しかもひとりで何かをやろうと思ってはダメ。先輩は、後輩に聞かれるのも嬉しいときだってあるんだから」

1/3ページ

最終更新:10/17(月) 13:45

東洋経済オンライン

東洋経済オンラインの前後の記事