ここから本文です

『キンプリ』Pを直撃!“観客参加上映”の今後とは

R25 10/17(月) 7:02配信

最近、“観客参加型”の映画上映が増えてきている。これは「応援上映」「発声可能上映」などと呼ばれていて、上映中に歓声を上げたり、作品にツッコミを入れたり、劇中歌に合わせてサイリウムを振って楽しむことができるもの。なかでも『シン・ゴジラ』の発声可能上映はかなり人気で、TOHOシネマズ新宿のチケットが30秒で即完売したほどだ。

「参加型上映は、一度作品を見て“盛り上がるポイント”を心得た2回目以降の観客が中心となって楽しんでいます。だからこそ、一体感を得ながら盛り上がることができるのだと思いますね。日本では今まで、上映後に拍手が起きることすら珍しかったのですが、上映中も各場面にリアクションをして、会場全体で盛り上がるという鑑賞スタイルが広まりつつありますね」

とは、映画評論家の清水 節(たかし)さん。ほかにも、作品のキャラクターのコスプレをして、ファン同士で披露しあう楽しみも生まれているのだとか。でも、どうしてこんな上映スタイルが増えているの?

「近年、スマホやタブレットの普及や、HuluやNetflixといった動画配信サービスのスタートなどから手軽に映画を観ることができるようになり、劇場来場者数の減少が危惧されています。その対抗策として、映像に合わせて風や振動を体感することができる4DXやMX4Dが導入されたわけですが、同じ作品を愛する観客たちが一緒に盛り上がることができるこの参加型上映も同じ発想。いまや映画は、単に物語を“鑑賞する”だけでなく、映画館に行って参加する“体験イベント”としても楽しまれるようになってきているんです」

清水さんいわく、2011年の『けいおん!』や2015年の『ラブライブ!』などの過去作品でも、単発イベントとして参加型上映が行われていたそう。今年に入ってブームになったのは、1月に公開された『KING OF PRISM by PrettyRhythm(以下、キンプリ)』の応援上映の、10カ月にも及ぶロングヒットの影響が大きいという。

 ■『キンプリ』は応援上映前提で作られていた!

『キンプリ』は、スターを目指す男の子が、歌とダンスで魅せる劇場アニメ。プロデューサーの西 浩子さんに、“キンプリならではの応援上映の魅力”を聞いてみると…。

「『キンプリ』は普通の作品と違い、応援上映を前提に作っているんです。たとえば、女の子が男の子にソフトクリームを食べさせるシーンでは、お客さんがキャラと会話しているような気分になれるよう、女の子のセリフを字幕だけにして、お客さんに『ア~ン』とアフレコしてもらう間を取っています。また、セリフとセリフの“間”を空けて、キャラに声援を送ったり、『いいよ!』『そうだそうだ』などの合いの手を入れたりできるようにしています。『ここで声を出すんだ』とわかりやすくすることで、より気軽に応援上映に参加できるようにしているんです」

あらかじめ声を出す部分が用意されていれば、初心者でも簡単に挑戦できそう!

「また、『キンプリ』は、好きに言葉を発することができたり、お客さん自ら笑いを取りにいったりと、かなり自由度が高いんです。実際、『苦手な食べ物は何?』というセリフがあるシーンでは、お客さんがそれぞれ苦手な食べ物を叫んでいるなかで、自分で持ち込んだ食品サンプルを掲げる人も現れました。お客さんが応援上映のために何か仕込んでくるような現象が起きて、同じ作品でも毎回違う反応が生まれることが、リピーターの増加やロングランの理由となっているのかもしれません」

 ■今後の観客参加型上映は「特撮」に広がる?

さらに、「参加型上映のブームが、映画の作品作りにも影響を与えていくかもしれない」と、前出の清水さん。

「『キンプリ』や『シン・ゴジラ』がヒットしたことで、製作者や劇場側は次なる参加型上映のヒットを狙っていくでしょう。しかし、参加型上映はどんな作品でも成功するとは限らないのです。音楽的な要素があり、ライブ的に楽しみやすい作品や、熱狂的なファンが現れやすい『特撮』『アニメ』といったジャンルで、この流れが顕著になるかもしれませんね」

また、観客の“参加”のかたちも「声援・サイリウム・コスプレ」に留まらず、変化していく可能性もあるとか。

「過去には『ロッキー・ホラー・ショー』というイギリス映画で、観客が雨のシーンに合わせて傘を差したり、ミュージカルシーンでは立ち上がって踊り出したりするケースもありました。ファンが積極的に、自由な楽しみ方を見出せるようになると、映画界も盛り上がっていくのではないでしょうか」

今年の映画界を象徴する観客参加型上映。今後の動向も見逃せない!

(アオキユウ/short cut)

(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

最終更新:10/17(月) 7:02

R25

記事提供社からのご案内(外部サイト)

R25[アールニジュウゴ]

リクルートホールディングス

特別号は随時発行。編集部の
お知らせなどで告知予定

0円

[特集テーマ]更新中!
・会社では学べない!ビジネスマン処世術
・お得に、スマートに、マネー得々大学院
・恰好いいパパに!オトコの子育て道場