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モスル奪還作戦 日本人カメラマンによる現地ルポ

FRIDAY 10/17(月) 12:20配信

 イラク北部に位置するIS(イスラム国)の拠点、モスルを奪還する作戦が始まった。イラク政府軍、アメリカの地上部隊、フランス軍、クルド自治政府の軍事組織ペシュメルガなどが一体となり、「最大の作戦」が展開されている。
 開戦前夜に報道カメラマンの横田徹氏が、現地で取材活動を行った。


 私は、イラク政府軍の装甲車に同乗し、モースル攻撃の要衝とされるケイヤラという町を目指した。

 モースルから60km南に位置するケイヤラは今年7月にイラク政府軍によって解放されたが、現在もISからの攻撃が絶えない。撤退するISの兵士が破壊し、火を放った油田からは黒煙が吹き上がり、空を真っ黒に染めていた。

 市内ではビルや家屋が空爆や砲撃で破壊されており、戦闘の激しさを物語っていた。市内を進むと、警備をしていた兵士が、

「ここは危険だ。すぐに引き返せ」

 と叫んでいた。どうやら、我々が到着する30分前、ケイヤラ空港に化学兵器の一種であるマスタードガスを充填させた砲弾が撃ち込まれたようで、緊張が高まっていた。ケイヤラ空港ではモースル奪還作戦に向け、米軍機の運用を可能にするための工事が進められていた。攻撃は空港に展開する米軍地上部隊を狙ったものと思われる。

 一方、モースルから北東15kmにあるバーシックにあるペシュメルガ(クルド自治政府の軍事組織)の前線基地でもISとの激しい戦闘が行われている。頭上ではフランス軍の爆撃機が24時間体制で飛行していた。我々が見守る中、2発のミサイルが約3・先にあるISのトンネルを破壊した。煙と共に轟音が響き渡る。逆に、ISから発射された迫撃砲が、私の約200m前方に着弾。ここにはフランス軍特殊部隊が視察に来ており、この攻撃で車両が破壊され、同行していたペシュメルガの兵士2名が重傷を負った。

 モースル奪還作戦では、大きな被害が想定され、人道的援助機関は、大量の避難民向けキャンプの建設を急いでいる。またCNNやBBCなど各国の報道機関が、アルビルに臨時オフィスを構えるなど、現地では戦闘開始に向け日増しに緊張感が高まっている。現地の軍関係者が説明する。

「モースル奪還はそう簡単ではないでしょう。ISが得意とする自爆攻撃、中心地の地下に構築されたトンネル網と地下要塞を潰すのは容易ではないし、化学兵器の使用も予想されています。
 また、懸念されるのは、かつて武器を放り出して敗走したイラク政府軍の士気と戦闘能力です。逆に兵士の士気が高いペシュメルガは、大都市を攻撃できるような迫撃砲や対戦車ミサイルなどの重火器が不足しており、ISが防御を固める大都市での戦闘では苦戦すると考えられています」

 現在発売中のFRIDAYでは、モスル攻撃直前の写真、最新情報を掲載している。

撮影・文/横田 徹(報道カメラマン)

最終更新:10/17(月) 12:20

FRIDAY

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