ここから本文です

スーパーで子供に「ママ、これ買って」と泣かれたらどうすべきか?

メディアゴン 10/17(月) 7:30配信

茂木健一郎[脳科学者]

***

お母さま方に質問されることがある。子どもには我慢をさせた方がいいですか、と。たとえば、ご近所のスーパーに行って、そこにある玩具を買ってくれ、と泣く。ぼくは「そんなもの、買ってあげたらいいんじゃないですか」と答える。

マシュマロテストというのがある。

目の前にマシュマロがあって食べるのを我慢できた子は、後に人生でいろいろうまく行くというデータもある。しかし、すべては文脈依存なので、そのことを忘れてはならない。

「ママ、これ買って」と言って泣く子だって、見知らぬおじさんに「これ買って」というわけではない。保育園や幼稚園ではがまんすることも多いだろう。スーパーで「ママ、これ買って」と泣いているのは、つまり、母親との愛着で、甘えているのである。甘えさせてあげればいいと思う。

その結果、家に似たようなおもちゃがたくさん並ぶかもしれない。そしたら、おもちゃを並べて、その多様な風景から、子どもに何かを感じさせれば良い。スーパーでがまんさせることよりも、そのような気付きの方が大切だと思う。

それに、こんなこともあるのである。

「我慢すること」は、関心のある世界が広がって、「欲しいもの」の対象が遠くになるにつれて、自然に本人にもできるようになる。何しろ「欲しい」と思っても、近所のスーパーには売っていないのだ。

ぼくは子どもの頃、蝶を追いかけていたけれど、そのうち、ドイツの「ザイツ」という図鑑があることを知った。図鑑の世界の最高峰らしい。あこがれて、欲しいなあ、と思ったけれども、もちろん手に入るはずがない。

もう少し身近では、サンダーバードの秘密基地、というのもあった。島があって、そこに2号とかあるのだ。広告で見て、ほしいな、と思ったが、母親が近所のおもちゃ屋さんに行っても、売り切れでなかった。仕方がないから、絵を見てがまんしたのを覚えている。

つまり、子どもの関心が広がるにつれて、どうせ、すぐには手に入らないものが増えてくるのだから、近所のスーパーで売っているものを、その場でせがまれたら、それくらい買ってあげたらいいんじゃないですか、というのがぼくの考え方である。

それで、わがままな子に育つとは、ぼくには思えない。

茂木健一郎[脳科学者]

最終更新:10/17(月) 7:30

メディアゴン

Yahoo!ニュースからのお知らせ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。