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メジャー3年目で飛躍 田中将大の成功を渡米1年目で確信していた黒田博樹

THE ANSWER 10/17(月) 10:12配信

チームメートだった黒田が見抜いていた田中の「柔軟性」

 ヤンキースの田中将大投手は今季、メジャー自己最高の成績を残した。14勝(4敗)、165奪三振はいずれも3年目で最多。そして、特に価値ある数字となったのは、199回2/3というイニング数だ。シーズン最後の2試合で登板を回避し、メジャーリーグの先発投手にとって“超一流”の証となる200イニング到達こそならなかったものの、あと1/3イニングまで迫った。

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 防御率3.07は堂々のリーグ3位。シーズン後半にはサイ・ヤング賞候補として米メディアから名前を挙げられるなど、タイトル争いにも絡んだ。現地では、ゴールドグラブ賞の最有力候補との報道も出ており、大きな注目が集まっている。

 2013年に楽天で24勝0敗という衝撃的な成績を残し、鳴り物入りで渡米した右腕はメジャー3年目の今季、大きな飛躍を遂げた。ただ、当初からMLBでの成功を確信していた人物がいる。現広島の黒田博樹投手だ。

「落ち着いてるし、周りに振り回されない、惑わされない強さを持っている。現時点ではそういう印象を受ける」

 2014年、2人はヤンキースでチームメートとして行動を共にした。メジャー7年目の黒田が“ルーキー”の田中を気遣う場面は、フロリダ州タンパでのスプリングキャンプから何度も見られた。練習の勝手が分からず、田中が右往左往することもあったが、黒田は初対面から約1か月の段階で、後輩右腕の印象を上記のように語っている。

 興味深いのは、この続きだ。すでにメジャーで大きな成功を収めていた黒田が田中を最も高く評価したのは、「強さ」の中にあった「柔軟性」。これこそが、海外で結果を残すための重要な条件だと話していた。

“メジャー式”を受け入れた黒田と田中

「あとはやっぱり柔軟性がある。日本ではある程度の結果を残してきたけど、アメリカではまた1からという気持ちも彼なりにあるんじゃないかなと思うし、そういう部分で調整法とか、練習のやり方1つにしてもこっちのやり方を受け入れるという姿勢は、周りから評価されるんじゃないかなと思う」

 日本では敵なしの状態で圧巻の成績を残した田中。自らのスタイルに確かな自信を持ってメジャー挑戦に踏み切ったはずで、球数制限をはじめとした調整法などの違いを受け入れられるかは、米国で成功を収めるために大きなポイントになると見られていた。過去には、“メジャー式”を受け入れられずに調整に苦しんだ日本人投手もいたからだ。しかし、田中は当初から「柔軟」だった。

「一番は今までやってきた、曲げてはいけない部分っていうのが当然、あると思うし、その自信は持っていなきゃいけない。ただ、こっちのやり方を受け入れて、まずはトライしてみないと、こっちの人は今度自分が彼らに何かを要望した時、アドバイスを求めた時には、そういう答えが返ってくるのは難しくなる。彼に柔軟性があるというのはそういうところで、まずはこっちのいろんなトレーニングとか、すべてを受け入れようとしている。こっちのコーチ、監督を含め、周りから好感を持たれるというのはそういうところだと思います」

 黒田自身、プロ入り後は剛速球を武器とした本格派として低迷期の広島を牽引したが、メジャー挑戦後は大きく変化するツーシーム主体の投球スタイルに変え、ドジャースで立場を確立。そして、フリーエージェントでヤンキースと契約してからは、メジャー随一の名門球団でも先発ローテーションの柱として欠かせない存在となった。自分の力をしっかりと認識し、日本ではトップクラスだった自らの投球のスタイルを変える「柔軟性」があったからこそ、確かな実績を残せた。田中も昨季から、黒田と同じようにツーシーム主体の投球スタイルに取り組み、今季の成功へとつなげている。

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最終更新:10/17(月) 10:12

THE ANSWER