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街で不審者を犯人扱いした結果が笑えないワケ、スラング「事案」広がりの背後で…

オトナンサー 10/17(月) 17:00配信

 インターネットをしていて「事案」というネットスラングを目にしたことはありませんか。

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 オンライン百科事典「ニコニコ大百科」によると、事案は本来、警察などの行政機関が「事件ほどではない不審な出来事」を指す言葉として使っていましたが、近年では男性が路上で女性に「すみません」と声をかけただけで事案とみなされる傾向があるそう。

 しかし、こうした現状は「あまりにもナーバス過ぎる」と捉えられ、事案は皮肉を込めて使われる言葉になっているようです。ネット上には、「もはや、しゃべることも許されない!? 最近の声かけ事案がすご過ぎる件」などのコンテンツも散見されます。

 今回は、こうした“事案”に過剰に反応した人が陥るかもしれない、日常生活の思わぬ“落とし穴”について考えます。

不審者が犯人でなければ罪に問われることも

 「私が街を散歩していた時、事案に当てはまるような『不審者』を見つけました。その場の良心で警察に連絡し、やって来た警察官がその人物に声をかけたところその不審者は急に怒り出し、私を訴えると言い出しました」

 こういった場合、法的にはどのような展開が予想されるでしょうか。弁護士の牧野和夫さんは「『私』が刑事・民事上ともに責任を負う可能性があります」と話します。

 刑事上は、警察への連絡が良心に基づくものかどうかに関係なく、「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する」(刑法第172条)とする「虚偽告訴罪」にあたる可能性があります。

 虚偽告訴罪が定める「虚偽」は、客観的事実に反する申告を行うことを指すため、牧野さんは「その人物が実際に犯人でない場合は虚偽告訴罪の成立の可能性があるでしょう」と話します。

「あの人は犯人」と叫ぶと名誉毀損の可能性

 一方、民事上は「『私』の真実ではない告発」によって、その人物が警察に執拗な取り調べを受け、留置所へ拘留された場合、「精神的な損害を被ったとして、損害賠償を請求される可能性があるでしょう」(牧野さん)。

 また、その人物が会社員であり、警察に身柄を拘束されたことで「業務上重要な会議や商談に出席できず、ビジネスの機会を失った場合、損害賠償を請求される可能性がある」とのことです。

 牧野さんによると、最悪なのはその人物について公衆の面前で「あの人は犯人です」と大声で叫んでしまったケース。これは名誉棄損にあたるため、刑事告訴されたり、損害賠償を請求されたりする可能性があるといいます。

 親切心や正義心から思わぬトラブルに巻き込まれるのはよくあること。あまり神経質に“事案”に反応するのも、考えものかもしれません。

オトナンサー編集部

最終更新:10/17(月) 17:20

オトナンサー

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