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CSファイナル赤松のワンプレーが象徴する、『スキのない』カープの強さ

ベースボールチャンネル 10/17(月) 12:00配信

相手を1塁にくぎ付け

 実戦から離れたブランクが心配された。短期決戦独特の緊張感も懸念された。しかし、全てを払拭するようなCSファイナルステージの戦いぶりであった。クリス・ジョンソンが初戦からベイスターズの中軸を完璧に抑え込んだ。絶好調のホセ・ロペスには第一打席からカットボールで内角を厳しく攻め、持ち味を発揮させなかった。二冠王の筒香嘉智にはカーブも効果的に交え、4打席ノーヒットに封じた。

 この完封勝利が、カープの勢いを生んだことは間違いあるまい。テレビ中継の視聴率は45%を大きく超えた。ただ、瞬間最高視聴率をマークした時間帯のプレーに注目したい。5対0とカープのリードで迎えた9回表1死ランナーなしの場面である。2番梶谷隆幸の打球はライナーでレフト戦へ飛ぶ。完全な長打コースである。しかし、途中出場のレフト赤松真人はファウルグランドのフェンス際でボールを処理、俊足の梶谷をもってしても、1塁をまわったところでストップすることになったのである。

 赤松は冷静に振り返る。

「あそこは、ランナーが1塁か2塁かでは大きな違いがあります。確かに点差はありましたが、短期決戦ですから、ああいうところから流れが変わってしまうことがあります。フェンス際の難しい打球ではありましたが、なんとかシングルヒットで止められたのはよかったと思います」

死角見当たらず

 あのスピード、あの経験値。まさに赤松ならではのプレーである。ただ、今年のカープにはこういった意識が選手全体に浸透している。

 河田雄祐外野守備・走塁コーチもワンプレーの重みを力説する。

「あの場面で、シングルヒットに止められるのは、かなりの能力です。赤松ならではのプレーだと思います。5点差があっても、やるべきことはやっておく。ちゃんとやっていれば、相手も(カープには)スキがないと思うでしょう」

 勢いに乗る強力・ベイスターズ打線を封じたのは、ジョンソンの投球であり、スキを見せないカープ野球であった。ファーストステージの4試合、打率.833の田中広輔で注目されるのはホームランやクリーンヒットだけではない。ファールで粘るべくは粘る場面もプレッシャーをかけたのである。黒星を喫した第3戦では、大瀬良大地、一岡竜司、九里亜蓮、福井優也らが1イニングずつの好投を見せた。代打の西川龍馬も大きな経験を積む中でヒットを放つなど結果を残した。

 32年ぶりの日本一へ、広島の街は真っ赤な興奮に包まれている。しかし、レギュラーシーズンを全力で戦い抜いたカープナインに死角は見当たらない。チーム内の競争がある。カープの伝統であるハードワークも変わらない。このチームに「蟻の一穴」は見当たらない。
 


坂上俊次

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:10/17(月) 12:00

ベースボールチャンネル

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