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名将クロップが“監督人生最高のゴール”に香川の一撃を選出 「計画通りの完璧なイメージだ」

Football ZONE web 10/17(月) 11:10配信

自叙伝でドルトムント1年目の香川が決めたゴールを振り返る

 リバプールを率いるユルゲン・クロップ監督の自叙伝『ユルゲン・クロップ』が、このほどイングランドで販売が開始された。2014-15シーズンまでドルトムントを率いた稀代の名将が、「監督人生最高のゴール」に日本代表MF香川真司のドルトムント1年目の一撃を挙げ、話題になっている。地元紙「リバプール・エコー」が、「クロップ~完璧なゴール、計画遂行、そして愚かなミスについて」と特集している。

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 クロップは2010-11シーズンの第6節ザンクトパウリ戦(3-1)で生まれた決勝弾を、監督人生における「完璧なゴール」と振り返っている。主役は香川だった。

 1-1で迎えた後半5分のことだった。元パラグアイ代表FWルーカス・バリオスが相手DFのパスを奪い突進。相手DFと1対1を仕掛けながら、スペースに巧みなパスを出すとドイツ代表MFマリオ・ゲッツェが反応する。ゲッツェはタッチライン際までボールを持ち込み、クロス。これに最高のタイミングで飛び込んだのは香川だった。右足でゴール左隅にダイレクトで決勝弾を叩き込んだ。香川にとってはこれが、シーズン4点目となる一撃だった。

「この瞬間に起きた以上に、ペナルティーエリアに自分の選手が4人も良いポジションに位置取りすることはありえない。組織立った攻撃の場面で、少なくとも3人はエリア内にいてほしい。願わくは、相手のペナルティーボックス内に4人、そしてエリアの近くには少なくともあと2人は必要だ」

完璧な位置取りで「ゴールの隅にパス」

 高い位置でボールを失った直後に高速プレスをかけて相手から奪い返し、その勢いのままショートカウンターを仕掛ける独自の戦術「ゲーゲンプレス」の使い手であるクロップ監督は、このザンクトパウリ戦の2点目で、フィニッシュの場面でエリア内にいた4選手のポジショニングの素晴らしさを振り返っている。

「ゲッツェはゴールの右でボールを受けた。そして、ゴールラインまで突進し、ペナルティースポットには(ケビン・)グロスクロイツが立っていた。彼はシュートを打つこともできたが、そうしなかった。おとりになったんだ。なぜなら、それが我々のゲームプラン通りだったんだ。ケビンがシンジにシュートを打たせた。ゴールの隅にパスしたんだ」

 香川の兄貴分で、現在シュツットガルトでプレーする元ドイツ代表MFケビン・グロスクロイツが、ゲッツェからのクロスを巧みにスルーした。グロスクロイツはこの試合で先制点を決めており、2点目も狙えるシーンだったが、指揮官の指示通りにあえてスルー。そして才気溢れる当時21歳の香川が、ゴールの隅にパスをするような正確さで決勝弾を決めたという。

「もしも、シュートがポストを叩いていても、ベンダーが押し込めるように待っていた。それも計画通りだ。完璧なイメージだ」と指揮官は、この一連の攻撃シーンを振り返っている。

香川を輝かせたクロップとの師弟関係

 香川とクロップ監督の師弟関係は有名だ。2012年夏にドルトムントからユナイテッドに移籍した際には、抱き合いながら号泣したことを指揮官は明らかにしていた。そして、ユナイテッドでベンチを温める苦境を目の当たりにすると、「心が張り裂けそうだよ」とも語っていた。

 リバプール就任2年目でプレミア屈指の強豪に引き上げようとしているクロップの愛弟子は、ドルトムントと日本代表でよもやの苦境に直面している。名将の眼鏡の奥には、“監督人生最高のゴール”の主人公となった香川の現状は、どのように映っているのだろうか。

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

最終更新:10/17(月) 13:33

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