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深田晃司監督、浅野忠信が選ぶ『自分の人生に影響を与えた映画』

ローリングストーン日本版 10/17(月) 16:00配信

第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞作『淵に立つ』。本作は、『歓待』『ほとりの朔子』『さようなら』と、一作ごとに人間ドラマの新たな地平を切り開いてきた深田晃司監督と、国内外で数多くの映画に出演し、日本を代表する俳優のひとりである浅野忠信がタッグを組んだ作品だ。そんな、世界から注目を集めるふたりが選ぶ『自分の人生に影響を与えた映画』。

【写真・動画あり】深田晃司監督、浅野忠信が選ぶ『自分の人生に影響を与えた映画』


深田晃司監督が選ぶ『自分の人生に影響を与えた映画』5本

『ミツバチのささやき』(1973年)

僕が映画を好きになるきっかけになった映画です。観たのは中学の2年か3年の時。ケーブルテレビで深夜にやってたんです。これまで自分が見聞きして来た映画とまったく違う世界観、"監督には世界はこう見えている"という視点にすごくシンパシーを感じました。一切哲学的な戯れ言は語らずに、シンプルな物語と映像と人物設定で監督の世界観を表現してしまう。"映画ってこんなことまで描けるんだ"って驚きました。

「一番好きな映画は?」と聞かれた時にいつも挙げる作品

『緑の光線』(1986年)

「一番好きな映画は?」って聞かれた時にいつも挙げる作品です。これも面白かったのは世界観ですね。ひとりでバカンスを過ごすことになった女性が、いろんな友達に電話したり、いろんなところに出かけるけど、どこのコミュニティにも馴染めずに孤独をこじらせていく話です。演出とか役者とか全部が素晴らしいのですが、特に、主人公が救われるにあたって主人公の努力は一切関係ないという、エリック・ロメール監督の作品すべてに共通している世界観が好きです。人間は偶然に左右されていて、良い人だから、良い事をしたから救われるのではなく、ちょっとした偶然で救われることもあるんだというロメールの考え方は、僕自身が救いについて考えるうえで大きな影響を受けましたね。


『流れる』(1956年)
「日本で一番好きな監督は?」と聞かれたら、成瀬巳喜男か宮崎 駿と言うようにしてるんです。『流れる』では、登場人物は誰もわかりやすい本音を喋ってないのに、後ろ姿とかで"こういうことを考えてるんだろうな"っていうことがちゃんと伝わる。それくらい、人物の関係性と物語の構成が見事なんですよ。でも、成瀬監督の映画の気持よさって説明が難しいんですよね。例えば小津安二郎監督だとローアングルとか、溝口健二なら長回しとか象徴的な特徴があるんだけど、成瀬監督は一見普通に撮っているのに何気ない画ひとつひとつが積み重なると抜群に面白い。あそこに到達できたら嬉しいな、と思いながら映画を撮ってます。

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最終更新:10/17(月) 16:00

ローリングストーン日本版

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