ここから本文です

右肩上がりの収納サービス事業。REITなどの可能性も

HARBOR BUSINESS Online 10/17(月) 16:20配信

 矢野経済研究所によると、2015年度の国内の収納サービス(レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム)市場規模は、前年度比8.0%増の603億4,000万円。2011年度は455億円の市場規模であった。右肩上がりで、収納サービスの市場は拡大を続けている。2016年度は前年度比8.2%増の652.6億円が予測されている。(参照:矢野経済研究所「レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム市場に関する調査を実施(2016年)」※pdf)

 収納サービス市場拡大の要因として、矢野経済研究所は、ここ5年間で生活圏のより近いところに、レンタル収納やコンテナ収納の拠点数が急拡大していることを挙げている。拠点数が増加し、都市部の一般生活者を中心に、収納サービスの認知度も徐々に上がることによって、利用者の潜在需要が顕在化、利用率の向上となり、これに伴い事業者側でも拠点数を増やすといった好循環が生まれているとしている。

◆40年前にアメリカで始まった収納サービス

 米国では、収納サービスのことを「セルフストレージ」と呼んでいる。「セルフストレージ」は、約40年前に米国で初めて誕生した。米国では「セルフストレージ」の名称で広く認知、普及している。毎年約10%の市場拡大が続き、今日では約280億米ドル(約3兆円)市場にまで急成長している。(参照:ISS INSIDE SELF-STORAGE)

 現在では全米に5万箇所、・1700万室以上が存在し、10世帯に1世帯が利用する一般に浸透したサービスとなっている。(参照:一般社団法人日本セルフストレージ協会)

 そんな米セルフストレージ市場のトップ企業は、Public Storage(パブリック・ストレージ)という会社だ。1980年7月に設立された同社は、自己管理型の不動産投資信託会社で、トランクルームを買収、開発、所有、運営。2015年の売上約24億米ドル、時価総額は、3,140億米ドルである。

◆日本国内の主要プレイヤー

 一方、日本市場は、50万室程度の供給数であると推定されており、狭い住宅事情の日本では、今後このサービスの需要は大きくなっていくものと考えられている。

 日本では、倉庫業からトランクルームが発展してきた。倉庫会社、JTおよびNTT東日本など大手企業がトランクルーム事業に参入している。レンタル収納スペースや貸しコンテナは、不動産事業者を中心に事業拡大した業態である。

 押入れ産業株式会社は、1987年創業以来、延べ28万人のユーザーが利用するトランクルーム企業。全国エリアで均質なサービスを提供するために、フランチャイズ・システムを採用している。

 他にも、キュラーズ、エリアリンク、ライゼボックス、加瀬倉庫、寺田倉庫などが国内の主要プレイヤーとして知られている。

◆貸し収納スペース専門のBPO事業者も

 貸し収納スペース運営・管理を行うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング、業務の外部委託)事業者も存在する。2015年8月、東証マザーズ市場に上場した株式会社パルマもBPO事業者のひとつ。

 パルマ社自体は、収納施設を保有してサービスを提供しているのではなく、貸し収納スペース運営・管理に係るBPO事業だけをおこなっている。①ビジネスソリューションサービス(BS):滞納保証付BPOサービスおよび運営受託、②ITソリューションサービス(ITS):予約決済在庫管理および成功報酬型WEB集客支援、③ターンキーソリューションサービス(TKS):施設開発販売、仲介および開業支援が、パルマ社の事業の3つの柱となっている。

 ビジネスソリューションサービス(BS)では、申込受付、入金管理、滞納督促、残置物撤去、物件巡回などが具体的なサービス内容である。ITソリューションサービス(ITS)は、利用者のWEBを経由したセルフストレージ申込・予約・使用料決済を可能とし、同時に事業者へWEB上における物件在庫管理サービスを提供するシステム。ターンキーソリューションサービス(TKS)は、収納サービス事業運営のコンサルティング、物件の開発及び事業者への売却といった業務を通じ、開業支援を行う。

 パルマ社の特長は、BPOに滞納保証を付加したサービスを提供していることである。トラブルの原因となる連帯保証を無くしていく、連帯保証に替わるサービスを提供していくという最近の時流に乗った形となっている。利用者は収納サービス事業者との一時使用契約締結時にパルマ社へ保証料を支払うことで保証人の設定や敷金が不要となり、また、収納サービス事業者はパルマ社が保証することで使用料未回収リスクの低下とアウトソーシングによる業務全体の効率化を図っている。

◆貸し収納スペースREITの可能性

 米国の不動産投資信託(REIT)にあって、日本のREITに無いカテゴリーが一つだけあると言われている。それは、貸し収納スペースを組み入れたREITである。

 パルマ社は現在、REITの会社では無いが、高野茂久社長は「今後、貸し収納スペースを組み入れたREIT組成の可能もある。」「収納施設を作るための出資企業を募ったり、建設後の売却先を探したりといったアセットマネジメントなどにも取り組んでいく。こうした実績が積み重なれば、貸し収納スペースを組み入れたREITの組成も遠くはないだろう。」と、各種メディアで語っている。(参照:日経新聞、ラジオNIKKEI アサザイ)

 トランクルームなど国内収納サービス市場のポジティブな将来性や、貸し収納スペースを組み入れたREITの登場に期待したい。

<文/丹羽 唯一朗>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:10/17(月) 16:20

HARBOR BUSINESS Online

Yahoo!ニュースからのお知らせ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。