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サラリーマン大家、「空前ブーム」の夢と現実

東洋経済オンライン 10/17(月) 6:00配信

■不動産投資に目覚めたきっかけは上司からの冷遇

 中小電機メーカーに勤務する39歳の谷口栄介さん(仮名、以下同じ)。彼が不動産投資に目覚めたきっかけは、新上司からの突然の冷遇だった。

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 32歳の若さでマネジャー級のポストに抜擢された。営業職で辣腕を発揮していた谷口さんの会社人生は、その1年後に経営者が交代して暗転する。「私は違うと思ったらハッキリ言う性格。どこかで後任社長のしゃくに障ることを言ってしまったようだ」

 突然、まったく経験のない購買・調達部門へ異動になった。マネジャー級の役職からヒラ社員へと異例の2段階降格となり、年収は600万円台から400万円台に激減。最初は実力で見返すべく慣れない購買の仕事を必死で勉強した。その結果、職場からは評価されるようになったが、トップの評価は覆りそうもなかった。

 谷口さんも疲弊していき、会社人生に希望を見いだせなくなる。転職するには年齢的にいっている。しかし会社依存からは脱却したい。たどり着いたのが不動産投資だった。

 現在までに、神奈川県内のアパートを中心に10棟を購入。現在の不動産投資の儲け(借入金を引いた手残り収益)は毎年1400万円と会社の給料より高い。「一度始めると快感になる」と谷口さんは言う。「自分が意思決定権者だから、私の電話で次から次へと話が進む。会社でやるような、トップの部下の中間管理職の人を説得するためのパワポ作りなんて、まどろっこしくてやっていられなくなりますよ」。

「サラリーマン大家」に空前のブームが来ている。週刊東洋経済は10月22日号(17日発売)で『不動産投資 勝つ人 負ける人』を特集。注目を集める不動産投資の最新事情と、これから投資をする人のための実践的知識を網羅した。

大手企業で秘書をしている阿部洋子さんの場合

 東京都心の大手企業で秘書をしている阿部洋子さん(30代後半)。4年前から投資を始め、現在の儲けは年150万円程度だが「もっと資産を増やして、いつか脱サラしたい!」と言う。

 彼女が不動産投資を始めたキッカケは、大病による1年半の長期休職だった。原因は不明だが、当時の部署での長時間のデスクワークとストレスが原因だと思われた。

 休職期間中、阿部さんは悶々と毎日を過ごした。「何もできていない私は、いったい何のために生きているのだろう、と毎日悩んでいました」。自己啓発系のセミナーにも通ってみたが自分の中に納得できない部分が残った。やはり社会に貢献できるものがいい、そして何よりちゃんとおカネが貯まることをしたいと、投資スクールに通い始めた。

 株や為替など資産運用の知識をひととおり学んだが、特に興味を引いたのは不動産だった。兄と親が建築業に従事していたこともあるが、以前にロバート・キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』を読み、その不動産投資の成功談が印象に残っていたこともあった。

■よい男を見つけるより、よい物件を買ったほうが楽しい

 2012年に相模原市に区分マンションを600万円で購入したことを皮切りに、2013年には埼玉県蕨市に賃貸併用住宅を3300万円で購入。2014年には埼玉県川口市の戸建て住宅を330万円で購入した。

 「不動産投資で自分は変わったか」と尋ねると、彼女は即答した。「会社の給与だけに依存しなくなったので、上司の顔色をみた発言をしなくなった。財務・法律の知識もつき判断力も高まった。時間をできる限り不動産投資に割くため効率よく仕事をするようになった」。

 阿部さんは今も独身だ。「よい男を見つけるより、今はよい物件を買ったほうが楽しい」と話す。「男って大体、共働きでも家事をしろとか言ってくるでしょう。でも物件は私が自由にできる。おカネも手元に貯まっていく。こんなに楽しいことはない」。

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最終更新:10/18(火) 9:35

東洋経済オンライン

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北朝鮮からの脱出
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