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職場ストレスは「ムダ話しない空気」が元凶だ

東洋経済オンライン 10/17(月) 6:00配信

 こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

 読者の皆さん、「ストレスチェック」はもう受けましたか。結果はいかがでしたか。10月初旬の全国労働衛生週間の前までに実施する企業が多いので、すでに結果がお手元に届いている方も多いと思います。結果を見た方からは、「ま、こんなもんかな…」や、「高ストレスに該当しているけど、仕事が忙しいので当然の結果」などの声を多く聞きます。

■ストレスチェック初回は、中小企業ほど「駆け込み」

 2015年末に法制化されたストレスチェック制度は、職場のメンタルヘルス対策の一環として、個人の現状把握や職場の問題をキャッチして予防することを目的としています。フィジカルな健康診断とともに精神の状態も把握しようという意味合いの大きいものですが、実際には、きちんと目的が伝達されていないことも多く、受検者が伸び悩んでいるのも実情です。実施する企業側は義務でも、受ける従業員に受ける義務はないので、「忙しいからやらない」という方も多いのです。忙しい方ほど、受けて欲しいのですが。

 そして、制度の実施期限11月末を目の前にして、慌てて取り組んでいる企業も目立ちます。予算が組まれている大企業は早々と実施する傾向がありましたが、比較的小規模の企業に、駆け込みの傾向は顕著です。夏の時点で、「まだ計画すらしていない」と回答している企業が全体の4分の1というデータもあり、ギリギリまで様子見をしていたことがうかがえます。

ストレスチェックの結果からわかったこととは?

 ストレスチェックの代行業者からは、企業からの「いくら料金がかかってもいいから、期限内に実施したい」という問い合わせが多く、駆け込み需要で営業をしなくても仕事が来るのはいいが、とても処理しきれない、という話を聞きました。

ただ、実際はおカネをかけて代行業者を利用しなくても、厚生労働省のホームページには、無料でダウンロードできるコンテンツが用意されており、従業員の名簿さえインプットすれば、集団分析まで可能なのです。研修先でこの話になると、「えっ? ! そんなものがあったなんて知らなかった」という企業の担当者に頻繁に会います。情報が行き届かず、手探りの企業が多いことがうかがえます。

■「何気ないやりとり」がないと仕事の相談はできない

 さて、次に皆さんが受けたストレスチェックの結果を分析していきたいと思います。

 公的なデータはまだ出ていませんが、様々な企業でデータを見せていただくことで浮き彫りになってきたのは、何といっても職場での人間関係の悪さです。多く見られたのは、「周囲のサポート」に関する項目で、上司のサポートの割合が少ないと感じているケース、「仕事の質や量」に関する項目で、多くの負担がかかっていると答えるケースでした。

 私が普段行っているカウンセリングの現場でも、「上司に相談しにくい」「周りに手伝ってほしいと言い出せる環境にない」という相談は後を絶ちません。職場でのコミュニケーションの質の悪さや、希薄さが深刻度を増しているのです。今回、電通で起こった不幸な事件も、単純に業務の過多だけが原因とは言いにくい状況があったと推察されます。

 実際に、私のクライエントの方々の中には、2週間に一度、私と話すことが唯一の「人ときちんと話す時間」だという方も少なくありません。職場での伝達はメールが中心で、直接会話をする機会はほとんどなく、一人暮らしの方も増えているからです。そのような方に、周囲ともっと相談するよう促したとしても、日常の何気ないやり取りを頻繁にしていない相手に相談を持ち掛けるのは、かなりハードルの高いことなのです。

 こうした状況にあるのは、カウンセリングに来談される方々にとどまりません。先日も、ある精密機械メーカーの従業員さんが、「ペンを床に落とした音が(社内に)響き渡ります」とおっしゃっていました。それほど、事務所内には会話がなく、静かなわけです。このような環境だと、共有すれば解決できることも、1人で抱え込んでしまう状況が見て取れます。

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最終更新:10/17(月) 6:00

東洋経済オンライン

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北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。