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企業と学生の攻防、「内定者フォロー」の実態

東洋経済オンライン 10/17(月) 8:00配信

 企業が内々定、内定を出した後から入社までの間、「内定者フォロー」が断続的に行われる。企業にとっては、ようやく内定を出した学生に「内定辞退」されることが、最も望ましくない。そのため内定を出した後もフォローをしっかり行って、10月の内定式に参加してもらい、来年確実に入社してもらいたいと考えている。つまり内定者フォローは、内定者に入社してもらうための重要な施策なのだ。

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 一方、就活生の状況はどうか。HR総研の調査によると、2016年6月中旬までに2017年卒採用の就活生(文系)の8割が内定を得ていて、さらにそのうち6割が2社以上から内定を得ている。入社までのどこかのタイミングで本命の1社を決めて、ほかの企業には内定辞退することになる。複数の内定を得た学生にとっては、内定者フォローが企業選択のキーポイントとなるわけだ。

■企業の8割が実施する「内定者懇談会」

 では、企業がどんな内定者フォローを行い、就活生はどんな内定者フォローを望んでいるのか。HR総研では、企業向けには「どのような内定者フォロー施策を実施・予定」しているか、就活生向けには「望ましい内定者フォロー内容は何か」を、それぞれ聞いている。

その結果、企業の8割が実施しているのが、「内定者懇親会」だ。就活生も5割以上が開催を望んでいる。しかも、HR総研の調査データ「2017年新卒採用徹底解剖」の結果を見ると、2017卒採用の就活生は2016年6月下旬の調査時点で、すでに6割が内定者懇親会に参加している状況だ。

内定者懇親会の目的とは?

 内定者懇親会とは、企業が内定もしくは内々定を出した学生を招集して行う懇親会のこと。内定者懇談会と称する企業もある。必ず出席しなければならないというものではないが、集まった内定者は入社すれば同期になるメンバーであり、一緒に働く仲間を入社前から知るまたとない機会となる。

 企業から学生への案内には「会社のことを良く知ってもらうため」「内定者同士の交流を目的として」と書かれている。それも大事な目的だが、内定者懇親会を実施する真の目的は、学生に「自社への入社意思を固めてもらうこと」にある。多くの学生は複数社からの内定を持っているため、内定者懇親会に参加してもらうことで迷いを払拭し、自社を選んでもらいたいのだ。

■入社後の配属も視野に学生を観察

 内定者懇親会ではどんなことが行われるのだろうか。内定者を集めて事業内容や職場の状況を説明し、昼食会や夕食会などを行うのが一般的である。会社説明会よりも一歩踏み込んだ内容で、入社後にこの会社で働くイメージをより具体的に描けるようなサポートもある。入社までのスケジュールやするべきことを説明する企業もある。

 また内定者同士でのワークやゲームなどが行われることもある。内定者同士のコミュニケーションが促進され、同期意識も芽生えてくる。食事も振舞われることが多く、リラックスして参加することができるが、企業人事は入社後の配属も視野に学生を観察していることが多い。

 企業の5割弱が実施している内定者フォローが定期的な連絡の場だ。学生側も3割近くが望む。6月初旬に内定を言い渡された後、何カ月も音沙汰がないと、学生は不安でいっぱいになってしまう。そうした学生の不安を解消し、入社を念押しするため、企業が内定者に定期的に連絡を入れてくる。就職活動が終わってから入社までの長い期間、学生のモチベーションを維持するのも、企業人事の大事な仕事なのである。

 内定者フォローで、内定者懇親会に次いで学生が望むのが、「若手社員との懇親会」だ。文系・理系ともに3割以上の学生が望んでいる。企業側もそうした学生の要望を吸い上げて、半数弱の45%が実施している。

 内定者懇親会が内定者同士のコミュニケーションの促進がメインであるのに対し、若手社員との懇親会では若手社員と内定者のかなり密度の高いコミュニケーションの構築を狙っている。多くの場合、内定者数名のグループに対して入社3年程度の若手社員が一人ついて、仕事や会社生活の話をしてくれる。選考時には聞きにくかった質問や、具体的な仕事の話を聞くことができるのがメリットだ。若手社員との懇親会も、内定者懇親会と同様で食事つきのことが多い。

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最終更新:10/31(月) 19:35

東洋経済オンライン

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北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。