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堅実経営の名門米銀行がブラック企業に! 「ウェルズ・ファーゴ」CEOの引責辞任に衝撃

nikkei BPnet 10/17(月) 9:22配信

 2016年10月12日、米銀行大手ウェルズ・ファーゴがジョン・スタンフCEO(最高経営責任者)の辞任を発表し、世界中に衝撃が走った(参考:同行のプレスリリースおよび日本経済新聞の記事「米銀ウェルズ・ファーゴCEOが辞任 不正問題で引責」)。同行は、投資銀行業務を重視してきたJPモルガン・チェース、シティバンク・エヌ・エイ、バンク・オブ・アメリカといった他の大手銀行とは異なり、地域密着型のリテール(窓口)業務に重点を置いた経営に特徴があり、「堅実経営」で知られてきたからだ。

 しかし、実は9月8日、窓口業務で一部の従業員が顧客に無断で口座を不正に開設するなど違法行為を行っていたことをCFPB(米消費者金融保護局)に指摘され、1億9000万ドルの罰金を支払うことで当局と合意していた(参考:CFPBの発表および日本経済新聞の記事「米ウェルズ・ファーゴ、罰金など1.9億ドル支払いで当局と合意 」)。

 不正行為を増長させたのは、同行が一部従業員に課していた「重いノルマ」だった。同行は、最近の経営戦略として「クロス営業」すなわち、一人の顧客に様々なサービスや商品を複数販売することを強化しており、口座を開設させると行員にインセンティブが与えられる形態になっていた。しかも、従業員に口座開設などのノルマを課し、達成できない従業員を次々解雇した。ノルマを達成するために残業した従業員に対して残業代を支払わない、つまり“サービス残業”もあったという。

 ウェルズ・ファーゴは1852年創業、全米に6000を超える拠点を持つ。かつてアメリカの中央銀行としてニューヨークのウォール街に君臨したJPモルガン商会を起源の一つに持つJPモルガン・チェースやシティグループなどとは違い、西部サンフランシスコを拠点(登記上の本社はサウスダコタ州)とし、商業銀行業務を中心とする堅実経営の銀行だった。2008年に全世界を襲ったリーマン・ショックでも経営のダメージは比較的軽く、M&Aを通じて全米規模のネットワークを築き上げた。

 同行は個人向け住宅ローン、自動車ローン、学費ローン、デビットカード、保険、中小企業向け融資などで全米屈指の業績を誇り、支店の雰囲気や行員のサービス態度などでも評判が良い(参考:同行が公開した「Fact Sheet」(PDFファイル)およびMarketHackによる2013年6月の記事「ウォーレン・バフェットが愛して離さない銀行 ウエルズファーゴは米国のリテール・バンキングのトップ・ブランド」)。著名な投資家ウォーレン・バフェット氏の経営する投資ファンド「バークシャー・ハサウェイ」が同社の筆頭株主であることでも有名だ。

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最終更新:10/17(月) 9:22

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