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日本株の潮目に変化 優待・配当の権利確定後に上昇する強さ

マネーポストWEB 10/18(火) 16:00配信

 証券業界最大手の野村證券は、9月26日に公表したレポート『マーケットアウトルック』以下の見解を示した。

〈日本株は上昇基調へ転ずることが予想されます。2016年末の日経平均株価予想を18000円と想定します〉

 日本株回復の要因として「ABCDショック」が去ったことがあげられる。「ABCDショック」とは、Aがアメリカの大統領選挙、Bが英国のEU離脱、Cが中国経済失速、Dがドイツ銀行を中心とする欧州系金融機関の経営危機を指すが、いずれもリスクが後退しているのだ。

 また、日本経済復活の要因は「ABCDショック」の払拭だけではなく、国内要因からも読み取れる。野村證券投資情報部のトップを務める竜沢俊彦部長は、「個人的見解ですが」と断わった上で日銀と政府の対策を高く評価する。

「年間6兆円のETF(上場投資信託)買い入れと、国と地方が直接支出する5兆8000億円に上る公共事業政策が日本株上昇のドライバー(牽引役)になります。特に公共事業には即効性があり、株価を押し上げる効果が高い」

 日本経済にとって最大のリスクである「円高」についても楽観的だ。

「米国の景気回復と中国、新興国などグローバルリスクの後退に加えて、日銀の金融緩和継続で円高傾向は回避されました。我々は年末104円という緩やかな円安を予想します」(同前)

 株価上昇の予測を打ち出しているのは野村證券だけでない。SMBC日興証券チーフテクニカルアナリストの吉野豊氏は、レポート『Opening Bell』(9月30日付)で9月28日を境に日経平均が反転したとして、「年末1万9000円」を打ち出した。

 吉野氏は、景気は一定のサイクルで循環すると考える「サイクル理論」で株価の推移を予測している。この理論について、カブ知恵代表の藤井英敏氏が解説する。

「日経平均の底値と高値を付けた日付などから、株の値動きのサイクルを計算します。具体的には、去年6月の最高値から今年2月の最安値までの156日をひとつの周期と考え、安値になってから同じ156日が経過した、今年の9月28日で調整が終わったと見なします」

 そのため吉野氏は、9月28日を境に上昇周期に入った相場は上がり続け、2017年には2万2000円以上になると同レポートで予想している。ケイ・アセット代表の平野憲一氏も年末予測を1万8000円から1万9000円に上方修正したという。

「円高や原油安で年末は1万8000円前後かなと思っていましたが、9月28日で流れが変わったと感じ、今は1万9000円と予測しています」

 平野氏も9月28日に着目しているが、吉野氏とは「別の理由」からだ。配当・株主優待の権利確定日は9月27日に集中している。このため例年、27日は買い優勢になって株価が上がり、権利確定後の28日は売り優勢になって株価が下がる。実際、今年も27日に139円上昇した株価は、翌28日に218円下がった。

「ところが権利確定後の売り買いが一段落した29日に相場が一転して228円高になり、『予想外の強さ』を見せました。市場は投資家の心情で動くものですから、いよいよ“潮目が変わった”と感じました」(同前)

※週刊ポスト2016年10月28日号

最終更新:10/18(火) 16:00

マネーポストWEB

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