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デジタルデバイス依存が「記憶」に与える影響とは

@DIME 10/18(火) 7:31配信

昨今、デジタルデバイスに情報を保存したことで安心してしまい、その情報を忘れてしまう傾向が、年齢や性別を問わず見られるという。Kaspersky Labはこの現象を「デジタル健忘症」と名付け、2015年よりデジタルデバイスへの依存が情報の記憶などに与える影響について調査してきた。以下はこの問題を含め、職場におけるデジタルデバイスの使用に関する調査結果をまとめたものだ。

■46%が会議のニュアンスを理解することよりもデジタルデバイス上のメモの正確性を重視

世界13か国の組織で働く人を対象に、会議や会話の記録方法をたずねた調査では、44%がデジタルデバイスで業務上のメモを取ることで、会話の背景や感情など貴重な情報を見落としてしまうと回答した。会議の内容を積極的に聞くことを諦めてもリアルタイムで記録を取ろうとするビジネスパーソンが多く、46%は会議のニュアンスよりもデジタルデバイスに保存したメモの正確性のほうが重要と答えた。半面、デジタルの記録が消えてしまった場合、会話の内容を一言も思い出せないと回答した人の割合は13%に上り、仕事の記憶をデジタルデバイスに依存している傾向がある。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで経営心理学の講師を務めるゴーカン・アームトグル(Gorkan Ahmetoglu)博士は、調査結果について次のようにコメントしている。

「人間の記憶力には限界があります。単に話を聞いて記憶に頼ることのデメリットは、短期的な『ワーキングメモリ』から長期的な記憶に情報を移動させるのが難しいことです。そして、長期的な記憶に残るかどうかは話題の理解度にかかっています。話の内容になじみがない場合や、よく理解できない場合は、デジタルデバイスにメモすることで、復習や後から理解を深めることに役立ちます。しかし、内容が詳しくわかっている場合、デバイスでメモするより、『記憶』に留める方が、情報を余すところなく吸収する上で、効果が高い場合もあります」

Kaspersky Lab North Americaのバイスプレジデント、マイケル・キャナヴァン(Michael Canavan)は、調査結果を受けて次のように述べた。
「ビジネスの重要な情報がデジタルデバイス上にしか残っていないと、情報の消失や盗難、サイバー攻撃のリスクが大幅に高まり、情報が永久に消えてしまうことにもなりかねません。記憶を補い仕事の成果を高めるために使われるすべてのデバイスを保護することに、規模の大小や業種を問わず、あらゆる企業が優先的に取り組んでいく必要があります」

■スマートフォンに手が届かない状態では目の前にある状態よりも生産性が26%向上

また、Kaspersky Lab、ヴュルツブルク大学(ドイツ)、ノッティンガム・トレント大学(イギリス)の共同調査の結果、スマートフォンが目の前にあると作業の生産性が下がることが明らかになった。この実験では19~56歳の95人を対象に、スマートフォンを作業机の上に置いた状態、スマートフォンをポケットやカバンに入れた状態、施錠した箱に入れ机上に置いた状態、部屋の外に出した状態という4つの異なる状況下で、参加者の生産性を試した。その結果、スマートフォンを作業机に置いた時に最も点数が低く、参加者とスマートフォンの距離が離れるほど点数が上がり、スマートフォンを部屋の外に出した状態では作業机の上に置いた時よりも生産性が26%向上するという結果が得られている。

今回の調査に携わったノッティンガム・トレント大学のジェンス・ビンダー(Jens Binder)氏は、結果を受けて次のように述べている。
「過去の実験では、スマートフォンが手元にないと不安感が増すなど、感情にマイナスの影響があるという結果もありましたが、今回の実験ではスマートフォンがあると気が散ることが明らかになりました。つまり、スマートフォンは手元にあってもなくても人の集中力に影響を与える可能性があるのです。」また、ヴュルツブルク大学のアストリッド・カロルス(Astrid Carolus)氏は、次のように加えています。「今回の実験結果を要約すると、スマートフォンが手元にあることではなく、ないことによって集中力が向上するということです」

最後にKasperskyの中小企業向けビジネス部門マーケティング部長、ウラジーミル・ザポリャンスキー(Vladimir Zapolyansky)は、次のような提案をしている。

「常にスマートフォンを使えるようにするのではなく、『スマートフォンなしの時間帯』を設けた方が仕事の生産性は向上するかもしれません。また、企業は日常的にインターネットを利用するビジネス環境で、集中力の低下がセキュリティの問題となり得るという認識が必要です。たとえば、通常とは違う内容の電子メールが突然送られてきた場合に、社員が警戒していれば、標的型攻撃に気づくかもしれません。企業はトレーニングを実施するなど、社員の警戒意識を高めておくことを推奨します」

文/編集部

@DIME編集部

最終更新:10/18(火) 7:31

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