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次の電通過労自殺を防ぐため、普段から「逃げ力」を鍛えよう --- 宮寺 達也

アゴラ 10/18(火) 16:30配信

電通の新入社員の高橋まつりさんが過労自殺という痛ましいニュースが流れてから1週間あまり経ち、マスコミからネットまで、様々な記事、議論が飛び交ってきた。その中で、「自殺を選ぶ前に、会社を辞めれば良かった」という意見がある。また、「長時間労働を規制するべき」「転職が容易な流動的な労働市場を形成するべき」といった意見も目にする。

しかし、「会社を辞めること」は当事者にとってはもの凄く難しい。また、企業風土や雇用ルールの改革実現には5年、10年といった長時間が掛かる。私自身もかつて、まさに過重労働やパワハラに直面し、心身にともに追い詰められた当事者だからこそ「今日、明日できることは何か?」の議論をするべきと思う。なお、私からの提言に入る前に、少々自己紹介をさせてもらいたい。

私も過重労働とパワハラで精神を病んだ

私は2005年から10年余り、大手の事務機器メーカーに勤務していた。所属していた部署では厚生労働省が「過労死ライン」と定める残業80時間超の勤務は、半ば常態化。ある年には、自主的サービスを含めると100時間超の勤務が1年近く続き、上司のパワハラも酷く、心身ともに追い詰められていた。しかし、会社を辞めることができず、駆け込んだ先のメンタルクリニックでは「強迫性障害」と診断された。

この時、「自分は危険に遭遇した時に冷静に逃げられない」と痛感した。自分の人生を振り返ると、テスト・部活動・課外活動・受験・研究・就活と、常に頑張りに応じた結果が伴っていたため、何かから逃げるという経験がほとんど無かった。そのため、私は自分の心身が危ない時に上手く逃げる方法がわからず、パニックに陥った。だから、私は高橋さんが会社を辞めずに自殺という結果を選んだしまった状況が何となく想像できる。

会社から「逃げる」力を身につけよう

では、高橋さんのようなケースにはどういう対策が望ましいのか。先述したような国や企業レベルでの改革には同意するが、私は「自分の心身が危ない時に会社から逃げることができる準備・スキル」を「逃げ力」と呼び、常に意識している。現在苦しんでいる人達がひとまず、今日・明日からできることとして、「逃げ力」を身につけていただきたいと思う。私自身もまさに今年、「逃げ力」を発揮して会社を退職し、フリーランスで特許への知識を活かしながら第2の社会人人生を送っている。

「逃げ力」には大きく分けて4つのポイントがある。

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最終更新:10/18(火) 16:30

アゴラ

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