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高齢者の徘徊による死亡事故に隠されたジレンマ。(藤尾智之 税理士・介護福祉経営士)

シェアーズカフェ・オンライン 10/18(火) 6:33配信

一昔前は痴呆、今は認知症と呼ばれている病気があります。発症は高齢者に多くその数は400万人とも500万人とも言われています。その認知症状のある高齢者がデイサービスセンターを抜け出して、そのまま亡くなられたという痛ましい事故が起き、その判決が先日出されました。亡くなられたご利用者のご冥福をお祈り申し上げます。

■認知症について
一般的に認知症と呼ばれる病気は、大きく4種類に分けられます。
(1)アルツハイマー型認知症、(2)前頭・側頭型認知症、(3)レビー小体型認知症、(4)脳血管性認知症です。(1)~(3)は、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく変性疾患と言われる病気です。(4)は、血管が詰まって一部の細胞が死んでいく病気です。患者数の割合として、(1)のアルツハイマー型認知症が認知症全体の60%を占め、脳血管性認知症が20%となっています。

発症者の半数以上を占めるアルツハイマー型認知症をもう少し細かく見てみましょう。初期のころは、短期記憶の蓄積ができなくなります。例えば、ごはんを食べたことを忘れてしまいます。何を食べたか忘れるのではなく、食べた事実を覚えていないという症状です。そして中期の症状だと最近の記憶が失われていきます。幼少や二十歳頃の記憶は残っていても中年時代以降を覚えていないことがあります。

そして、この中期に多く起こるのが徘徊症状です。上記の記憶障害によって今いる場所は、自分の居場所ではないと思って外に出ます。例えば、数十年も住んだ自宅を自宅と認識できずに、「家に帰ります。」と言って外に出て実家や以前に住んでいた家を探すような行動をとります。家族が一生懸命説明しても理解してもらえないため、力づくで留めるのが精いっぱいということもよくあります。

■徘徊予防策その1
例えば、予防策として玄関ドアが施錠されているケースがあります。自動ドアにも関わらず営業中はOFFにし、上下に鍵をかけるなど非常に不便な状態となっている施設があります。また、自動ドアを開けるスイッチを通常の場所に置かず事務所内に移動しているケースもあります。鍵をかけない場合としては、入り口付近で事務職員などが受付業務を行い、注意を払うというケースもあります。

そのほかに、ご利用者のカバンやポケットにセンサーの発信器を付けさせていただくこともあります。万が一利用者が近づいてこられたら発信器の電波を受信した機器がアラームを鳴らしてお知らせするという仕組みです。もちろん、例として掲げた物理的予防策をとっていない介護事業所もたくさんあります。

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最終更新:10/18(火) 6:33

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