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人間同士は、互いに「バカ」と思い合うことで成り立っているという考え方

ライフハッカー[日本版] 10/18(火) 22:10配信

『バカざんまい』(中川淳一郎著、新潮新書)とは、なんとも挑発的なタイトルです。しかし目を通してみれば、単にウケ狙いで「バカ」を強調しているわけではないことがわかります(とはいえ、それでも極端ではありますが)。

「バカ」だと思う時というのは、自分基準の常識とかけ離れた言動をする者に接した時に発生する。人間同士なんてものは「バカ」と思い合うことによって成り立っている。だからこそ戦争だって終わらないし、ケンカや裁判や離婚も発生し続けている。(「はじめに」より)

いってみれば、善かれ悪しかれ、人は多かれ少なかれ他者を「バカ」だと思っているものだという考え方。それを認めたうえで、コミカルかつアイロニックに社会を見わたしてみると、そこから気づきを得ることもできるということでしょうか。以下の最後の一文にこそ、著者の本音が反映されているように思います。

本書は、他人に対して「バカ」だと思い続けている私が、「週刊新潮」にその時々の「バカ」を書き続けてきたコラム「この連載はミスリードです」をまとめたものに加筆をしたものである。(中略)毎回文章で正直な気持ちを吐き出すとスッキリし、他人に対した優しい気持ちになれるような気がした。(「はじめに」より)

著者はネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、退社後は雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至っているという人物です。『ウェブはバカと暇人のもの』を筆頭とする著作も話題になったので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

きょうはそんな本書のなかから、「【5】会社編」に注目してみたいと思います。

タテマエの求人をするバカ

新入社員を募集するにあたり、企業に“嘘“をつくことをやめてもらいたいと著者はいいます。某新卒採用サイトには「求める人材」という欄があり、そこに書かれている人事部や先輩社員の意見が気になるというのです。

たとえば保険会社の社員は「日本の中小企業のことを考えて、その会社を少しでもよくしようと自分で考え、自律的に行動できる人に来てほしいと思っています」と記し、パチンコチェーン店は「地域と、そこで暮らす人を大切にすること」を求める。しかし、このようなメッセージをいくら読んでも、まったく心に響かないというのです。

「地域の発展」を志す超絶人格者を採用広告で求める会社って、私は信用しません。
なぜなら、人間は基本的にラクをしたくて、他人よりも自分の方が大事なはずだからです。私は広告会社・博報堂出身ですが、正直な志望理由は「給料高いし、モテそうだし、他人が羨ましがるから」でした。面接ではこれを若干弱め、「商品開発に関与でき、あとは賞とか取れたらスゲー気持ちよさそうですよね」と2番目の本音を語りました。(133ページより)

ほとんどの会社が求める「求める人材像」は嘘だといい切るのは、それで内定が取れたから。「求める人材」は単に耳に心地よい言葉を並べただけのものなのに、学生たちはそれに合わせた自己PR文をつくり、それを暗記して面接に臨む。それはおかしいということ。志望動機は本来、「他者に奉仕する自己犠牲の精神」の有無ではなく、自分本位の思いであるべきだという考え方です。(132ページより)

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最終更新:10/18(火) 22:10

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