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電通事件は、みんなの正しい行動が壮大な無駄につながった結果かもしれない。(塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 10/18(火) 7:18配信

電通の新入社員が自殺をした事件で、月100時間を超える残業をしていたということから、労働基準監督署がこれを過労が原因の労災と認定した上で、東京労働局などが労働基準法違反の疑いで電通本社に立ち入り調査に入りました。

■飲酒運転と同様、残業規制が一気に「建前」から「本気」に変化するかも
問題は、電通のみならず、多くの企業で違法残業が行われているようだ、という事にあります。筆者は実態を知りませんが、伝え聞く所を信じて、多くの企業で違法残業が行なわれているとの前提で以下を論じようと思います。

日本では、「粉飾決算をした」「部下に違法な残業をさせた」といった行為に対し、「会社のためにしたことだから」という理由で厳しい批判がなされず、その結果として粉飾や違法残業などが後を絶たない、という実情があるようです。おそらく本件も、その氷山の一角だったのでしょう。しかし今回は、世論が動いており、それを背景に安倍総理も労働基準局も本気で取り組むことになるかも知れません。

福岡の飲酒運転による事故を契機として、世論が盛り上がり、それを受けて飲酒運転の取締が格段に厳しくなりました。同じように、違法残業に関する状況が大きく変わるかも知れません。そうなった場合には、労働者にとっては待遇の改善となる一方で、経営者にとっては厳しい状況となりかねません。

個別企業については、専門家が様々な観点から分析や予想をするでしょうから、筆者はマクロ経済の担当として、本件の影響について考えてみたいと思います。

■労働力不足が加速し、労働者の待遇が改善
いままでのように社員に違法残業をさせる事が出来なくなると、企業が最初に考えるのは仕事の効率化でしょうが、これは容易ではないでしょう。仕事が効率化できるなら、既に効率化されていた筈だからです。今までだって、部下を効率悪く働かせて残業させるのが趣味だ、という上司はいなかったはずですから(笑)。

もちろん、本気で見なおせば、少しは効率化の余地はあるでしょうが、そのあたりは筆者の不得意分野なので、とりあえず「多少の効果は見込まれるが、過大な期待は禁物」という事にしておきましょう。

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最終更新:10/18(火) 7:18

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