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【現地発】どこよりも詳しい「イカルディ自伝問題」の顛末…なぜ大騒動に?

SOCCER DIGEST Web 10/18(火) 17:45配信

『一人ひとり相手にしてやりますよ。何人きますかね?』。

 インテルの主将マウロ・イカルディが、先週出版した自伝の中にゴール裏を侮辱する虚偽の記述があったという理由で、ウルトラス(熱狂的サポーター)から激しい抗議を受けてキャプテンマークの剥奪を要求されていた問題は、クラブ側がイカルディに対して内規違反で罰金の処分を下し、イカルディは自伝を自費で回収して問題部分を削除した新版を発行することで、一応の決着を見た。キャプテンの座には引き続き留まることになる。
 
 サン・シーロでのインテル対カリアリ戦(1-2)が行なわれた10月16日日曜日の朝から翌月曜日の夕方まで、イタリア・サッカー界の話題を独占したこの「イカルディ自伝問題」。ここでは何よりもまず、事実関係をきちんと整理してお伝えしておくことにしよう。
 
 事の発端は、10月10日に発売されたイカルディの自伝『SEMPRE AVANTI(常に前へ)』に記された、14-15シーズンのサッスオーロ対インテル戦(2015年2月)の試合後、ゴール裏とピッチの間で起きた出来事について描写した部分だった。
 
 序盤にワルテル・マッザーリからロベルト・マンチーニへと監督が替わったこの14-15シーズンのインテルは、後半戦に入っても不振から抜け出せず、この試合でも不甲斐ない内容でサッスオーロに1-3の敗北を喫して順位は13位まで低下。アウェーセクションに陣取ったウルトラスから厳しい怒号を浴びることになった。他のチームメイトがそれを遠くから眺める中、イカルディとフレディ・グアリン(現・上海申花)だけは彼らの下に挨拶に向かう。イカルディはその時の様子を、自伝に次のように記した。
 
「ゴール裏に向かった俺は、ゲームシャツとパンツを脱いで、子供にプレゼントした。ところが、ウルトラのボスがその子に飛びかかってその手からシャツを奪い取ると、軽蔑するようにこっちに投げ返してきたんだ。その瞬間、俺は頭に血が上って我を失った。そいつをぶん殴りたくて仕方がなかったが、無理だったからとにかく思い切り罵ったよ。『この糞野郎、周りに自分の力を見せたくてそんな小さな子供相手に威張り散らしてんじゃねえよ! この恥知らず。お前らみんな恥知らずだ!』。そう怒鳴ってシャツをそいつの顔に投げ返した途端、この世の終わりのような騒ぎになった」

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「ロッカールームに戻るとチームメイトたちは拍手喝采を浴びせてくれたけど、クラブの幹部はサポーターが家まで仕返しに来るんじゃないかと心配し始めた。でも俺は折れなかったね。『一人ひとり相手にしてやりますよ。奴ら、俺が南米で一番犯罪発生率が高くて死者数の多い街区のひとつで育ったことを知らないんでしょうね。何人来ますかね? 50人、100人、200人? オーケー、これから俺のメッセージを録音して連中に伝えてください。アルゼンチンから100人の犯罪者を連れてきてやつらをその場で殺してやる、話はそれからだって』。わざわざこんな大げさなセリフを吐いたのは、俺は脅迫に屈するような人間じゃないってことを示すためだった」
 
「1週間後、古株のボスの1人がやって来て謝罪を迫った。俺は答えたよ。俺はあんたたちのだれにも謝る義理はない、もしそっちがそれで良ければ最高だけど、そうじゃないならそれはそれで仕方ないね、チャオ……。いま、俺とクルヴァ・ノルド(北側ゴール裏のスタンド席。サン・シーロでは熱狂的なインテリスタが陣取る)サポーターは、互いにリスペクトし合っている。それが正しいあり方だ」

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最終更新:10/18(火) 18:09

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