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藤 竜也が選ぶ『自分の人生のターニングポイントとなった映画出演作』3本

ローリングストーン日本版 10/18(火) 12:30配信

新作『お父さんと伊藤さん』で、これまでにない役を演じて新境地を拓いた藤 竜也。長いキャリアのなかで、藤が選んだ『自分の人生のターニングポイントとなった映画出演作』3本は、タイプがまったく異なったものとなった。そのひとつひとつに、波乱に富んだ役者人生が刻み込まれている。

映画『お父さんと伊藤さん』:藤 竜也に聞く"遊ぶように生きて、演じた役者人生"


藤 竜也が選ぶ『自分の人生のターニングポイントとなった映画出演作』3本

『野獣を消せ』(1969年)

この作品で初めて、自分なりのやり口で役作りができた。"この男はどう動くだろう? どこで笑うだろう? どんなことをするだろう?"っていうのが、本(脚本)を読むとどんどん出てくるわけ。その一環で、何か特徴が欲しいと思ってヒゲを生やし出したんです。

『愛のコリーダ』(1976年)

人生、ヤバい橋を渡らなきゃダメな時があるっていう感じでやりましたね。(主人公の)「もう好きで好きでしょうがない、どうなってもいい」っていう気持ちを、どう表現すればいいんだ? と考えた時、肉体がなくなっちゃえばいいと思ったんだよね。精神だけみたいな状態になればいいって。それで、演技で表現するより、痩せるのがいいのかなと思って、ぎりぎり生きて行けるくらいの状態になるように計算して、絶食みたいなことをしたんです。最終的にオナラしたら倒れるくらいになったんだけど(笑)、その頃には、どんどん気持ちが澄んでくるんですよ。不思議ですね。撮影が終わった後、ドラマ『悪魔のようなあいつ』の打ち上げに行ったら、「坊主みたいになったね」って言われました。

良い人を描いた映画『村の写真集』

『村の写真集』(2004年)

こ の映画で良い人の役をやって、海外で賞をもらったんです(上海国際映画祭で最優秀作品賞、最優秀男優賞を受賞)。良い人を描いた映画って、なかなか評価されないんですよ。昔の木下惠介監督とかもそう。でも、三原さん(三原光尋監督)はめげずに、そういう作品を撮り続けてきて、それが評価されたのが嬉しかった。特にあの時期は反日運動とかが吹き荒れていたなかで、上海国際映画祭が賞をくれたのもすごいと思いましたね。

TATSUYA FUJI
藤 竜也 1941年8月27日、中国・北京生まれ。『望郷の海』(62)でデビュー後、『嵐を呼ぶ男』(66)、『反逆のメロディ』(70)など、数多くの日活作品に出演。退社後に出演した『愛のコリーダ』(76)では、第一回報知映画主演男優賞を受賞。ほかの主な映画出演作品に、『ションベンライダー』(83)、『アカルイミライ』(03)、『私の男』(14)などがある。

『お父さんと伊藤さん』
監督/タナダユキ
出演/上野樹里、リリー・フランキー、藤 竜也ほか
10月8日(土)より、新宿バルト9ほか全国公開
http://father-mrito-movie.com/

Yasuo Murao

最終更新:10/18(火) 12:30

ローリングストーン日本版

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