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国を挙げて熱血授業、恐るべき中国語の拡散パワー

JBpress 10/18(火) 6:10配信

 「これからはアジアの時代」と言われる中、世界でアジアの言語が注目されている。

 英国の一部の地区では、小学3年生からアジアの言語を含む外国語を選択制にした。オーストラリアではアジアの言語学習を小中学生の重要課題に据え、アジアの4つの言語のうち1つを必修科目にした。

 アジアの言語の中で人気が最も高まっているのは中国語である。ロシアの中国語専門教育機関には、今年、申込者が殺到した。また米国でも中国を目指す留学生が増えるとともに、中国語の学習熱が高まっている。

 最近の中国語人気は、中国が打ち出した「一帯一路」構想と無縁ではない。「一帯一路」とは、中国と中央アジア、西アジア、アフリカを結ぶ壮大な経済圏構想である。その経済圏に含まれる国々ではにわかに中国語ブームが到来している。

 それは留学生の出身地からも明らかだ。中国教育部によると、2015年の中国への留学生数順位は、1位韓国、2位米国、3位タイ、4位インド、5位ロシア、6位パキスタン、7位日本、8位カザフスタン、9位インドネシア、10位フランスとなっている。中でもインド、パキスタン、カザフスタンは前年比10%の伸びとなった。アフリカからの留学生も急増しており、2015年は前年比19.47%の伸びである。

■ 「最良の人材」が留学生を指導

 もともと中国は、中国語を世界に普及させる戦略を展開している。中国語を英語に代わる世界言語とすべく、国家予算を投入し、中国文化の普及機関である「孔子学院」を各国に配置し、中国語教師を送り出してきた。

 海外でも国内でも、中国語を教える教師は十分なトレーニングを受けたプロ集団である。

 「あなたにとって宿題以上に大事なことは何なのか、私に説明してみなさい!」

 中国語の宿題を忘れた日本人留学生向かって中国人教師が一喝した。この学生は、本来中国では禁止されているアルバイトに時間を取られ、宿題の提出が期限までに間に合わなかったのだ。課題を怠る留学生や試験の成績が悪い留学生を、教師たちは容赦なく叱責する。

 留学生に厳しく接するからには、教師もいい加減な授業はできない。外国人にも分かるはっきりとした言葉遣いを徹底し、時間配分にも気を配る。

 2000年代後半に北京語言大学に留学した経験を持つ戸沢亜希子さん(仮名)は、当時の授業の印象をこう語っている。

 「中国語教師は驚くほどレベルが高かったですね。外国からやってきた留学生を『最良の人材』が指導するという体制が確立しているんです。私の先生は北京大学を卒業したエリートでした」

 「北京大卒の中国語教師」は、日本で言えばさしずめ「東大卒の日本語教師」といったところだ。さらに、大学で中国語教師として教壇に立つ者は、博士課程を修了していることが求められる。

 筆者も上海の2つの大学で中国語の教育を受けたが、“新米の先生”を除けば授業の質はきわめて高く、安定したものだった。

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最終更新:10/18(火) 10:25

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