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仕事のできない人は「断り方」がなっていない

東洋経済オンライン 10/18(火) 9:00配信

 「せっかくのお話でしたが、今回はご期待に添えません」

 ビジネスの現場では時折、こういう場面に遭遇します。他社(他者)との取引や商談などにおいてさまざまな条件を加味した結果、一定の落としどころへ向けて決着することが難しいと判断した場合は、交渉の当事者いずれかが、それを断らなければなりません。

拙著『本当に賢い人の丸くおさめる交渉術』でも述べていますが、商談のような交渉はつねに相手があることなので、いくらあなたが上手な交渉術を身に付けてもまとまらないことがあります。交渉をこちらから断るような場面も少なくないでしょう。

■別れ際の印象に注意

 ただ、それではせっかく「この相手と一緒に仕事ができるかも」という出会いがあったにもかかわらず、そこで縁が切れてしまいます。相手には最後の印象がいちばん強く残ってしまうものなので、交渉の途中で「いい感じ」になっていたとしても別れ際が「残念」になってしまうと、相手にはネガティブな印象を残してしまうことになります。

 どうしても交渉が成立せずお断りをしなければならないときでも、できるだけ気持ち良くお別れできるように気を配り、少しでもポジティブな印象を残すのが仕事のできるビジネスパーソンに求められるスキルのひとつです。今回交渉が成立しなかったのはあなたが悪かったわけでもないし、相手が悪かったわけでもありません。双方の都合が合わなかっただけなのです。

縁を切らない上手な断り方

 今回の交渉が成立しなくても相手をあなたのファンにすることに成功していたとしたら、次は相手のほうから「あなたと一緒に仕事がしたくて、次のネタを見つけてきました」と話を持ちかけてきてくれることすら期待できます。断る時に長期的な利益を最優先にして縁を切らないようにすると、結局あなたの得になるというわけです。

■上手な断り方5つのパターン

 それでは、ご縁を次につなげる上手な断り方を具体的に5つのパターンに分けてお話ししましょう。あなたが交渉を断らなければいけなくなったときにも、きっとどれかのパターンが使えるはずです。

 ①とにかく相手を「褒める」「気遣う」「感謝する」

 交渉では伝える内容より伝え方が大切です。そして、褒められて嫌な気分になる人はいません。断るときにも交渉相手の人柄や相手の商品、サービスを褒め、ここまで真摯に交渉の相手をしてくれたことに感謝しましょう。そして、交渉を断りながらも相手への気遣いの言葉を忘れないようにしてください。たとえば次のような言葉です。

 「今回の商談では、とても長い時間を取っていただき、本当にありがとうございました。私も初めての経験だったのですがとても勉強になりました。貴社のサービスはとても魅力的ですばらしかったのですが、私の力不足で今回の契約は難しいという結論になってしまいました。これ以上ご説明のお時間を取っていただいても、かえって貴社にご迷惑をかけてしまう結果になってしまいますので、また次の機会にお話をいただけるよう私どもも努力して力をつけておきます」

 ②一部なら受け入れられたが全部を受け入れることはできなかった

 交渉をしていて、相手の提案や条件のすべてが気に入らないということはまずないはず。ですから、相手の提案を分断したうえで、受け入れられた部分を強調し、受け入れられなかったのは一部だけだったということを理解してもらうといいでしょう。

 「貴社のコピー機の画質には本当に驚きました。この点は申し分なかったのですが、トナーの交換頻度が想定以上に高く、ネックになってしまいました」「予算と画質は期待どおりだったのですが、うちは印刷枚数が多いので印刷速度が譲れませんでした」などという断り方でもいいでしょう。

 ③タイミングのせいにする

 「現在」というタイミングでは交渉を成立させることはできなくても、将来的には同じような交渉や商談が成立する余地があることを伝える方法です。

 「ちょうど、ここ数年、工場の増築など社内的な投資が連続してしまったので、車両の入れ替えを今はすることができないのです。もう少しタイミングをずらせば可能性が出てきます」というように説明して断ります。明確に「今は交渉を成立させることはできない」と断っているのですが、あなたのことは好きだからまた後で会いたいと伝えて、ご縁をつないでいるのです。

 「今、即答を求められるとノーとしかお答えできませんが、今後社内の条件が整ったときには、改めて私のほうからご連絡差し上げてもよろしいでしょうか」という言い方でもいいでしょう。

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最終更新:10/18(火) 10:05

東洋経済オンライン

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