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アマゾン、「漫画用キンドル」は売れるのか? 

東洋経済オンライン 10/18(火) 13:00配信

 4月に登場した薄型、超軽量の「キンドル オアシス」に続き、アマゾンが取り組んだのは「マンガ」だった。新たな端末は、日本のマンガファンを取り込むことができるだろうか。

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 アマゾンは10月18日、マンガに特化した電子書籍端末「Kindle Paperwhite 32GB マンガモデル」を発表した。これまでのキンドルは全世界共通モデルだったが、今回は日本限定発売。アマゾンがひとつの国に特化したモデルを投入するのは初めてだという。

■平均700冊を持ち歩ける

 マンガに特化したモデルだが、小説などの本も読むことができる。価格は1万6280円。年額3900円で動画や音楽などさまざまなサービスを受けられる「アマゾン・プライム」会員なら、1万2280円で購入できる。

 端末のスペックを確認しよう。ストレージは、従来のキンドル(4ギガバイト)の8倍となる32ギガバイトに増強した。マンガなら数百冊(平均700冊)を持ち歩ける。小説など、本の場合は数千冊を保存できるという。

 また、従来のキンドルには高速通信のLTEを搭載したモデルもあったが、今回はマンガの大きなデータをダウンロードすることもあり、Wi-Fiモデル限定となっている。

ページをめくる速度が一気に向上

 一般的にマンガを読む場合、小説よりもページを目にしている時間は短くなる。そこでマンガモデルは、ページをめくる速度が従来から33%高速化され、すぐに描画されるようになっている(動画を参照)。

 また、マンガは少し戻って確認しながら読むケースも多いため、1秒間に7ページの速さで読み飛ばせる新機能も盛り込んだ。

 ちなみに、重量は205グラム。現行のキンドルペーパーホワイトのWi-Fiモデルと変わらない数値だ。

 実は、マンガモデルは米国本社ではなく、アマゾン・ジャパンが主導して製品化にこぎ着けたものだ。米国などでは小説がよく読まれるのに対し、日本はマンガが読まれる比率がほかの国よりも圧倒的に高かった。

■ニーズに応えないのは「ありえない」

 実際、日本のユーザーからは「マンガを入れるから、もっと容量のある端末がほしい」「動作がもたついている。ページを早く描画してほしい」といった要望が寄せられていた。そこで、アマゾン・ジャパンは「専用端末を出すべきだ」と、米国本社にアピールを続けていたという。

 デバイスマーケティング本部の橘宏至(たちばな・ひろし)本部長は「2012年にペーパーホワイトを発売して4年。ようやく日本の意見が米国本社で反映される規模になってきた。何百冊も持ち歩きたい、ページ送りを早くしてほしい、というニーズに応えないのはありえないと主張してきた」と振り返る。

 マンガを電子書籍で、しかも、紙のようなタッチで思う存分読みたい、というユーザーにとって、マンガモデルは魅力的な端末かもしれない。はたしてマンガファンを取り込めるのか。日本における同機種の成否は、今後のキンドルの世界戦略にも影響を及ぼすことになりそうだ。

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最終更新:10/19(水) 21:45

東洋経済オンライン

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