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「薄毛治療薬を使うとEDになる」は都市伝説か?

nikkei BPnet 10/18(火) 9:09配信

薄毛治療薬との関係について

 「発毛剤やシャンプーを色々試してみたけど、内服の薄毛治療薬も使ってみたい、でもED(勃起不全)になりやすいって聞くし……」。薄毛が気になる男性のこんな不安を払拭してくれそうな研究成果が新たに報告された。

 日本では、薄毛(男性型脱毛症:AGA)の内服治療薬として、フィナステリド(商品名プロペシアほか)やデュタステリド(商品名ザガーロ)が、また、前立腺肥大の内服治療薬としてデュタステリド(商品名アボルブ)などがある。これらは、「5-α還元酵素阻害薬」と呼ばれる薬剤だが、これまでにEDや他の性機能障害のリスクを高める可能性が示されており、不安を感じる人が少なくなかった。

 そこで今回、米国ボストン大学公衆衛生大学院のカトリーナ・ハグバーグ氏らは、これらの薬剤がEDリスクを高めるかどうかを明らかにするため、英国人男性約8万4000人を対象とした研究を実施した。

 研究グループはまず、薄毛治療について、英国でフィナステリドを薄毛治療に用いることが可能になった2002年1月1日以降に薄毛と診断された18-59歳の男性のうち、診断前には性機能に問題がなく、EDやそれ以外の性機能障害リスクを持っていなかった1万2346人を選び、フィナステリドを服用していたグループと服用していなかったグループに分けた。

 この中で2011年末までに547人がEDを発症した。フィナステリド非使用群に対して使用群ではEDリスクが6%低かったが、統計学的に意味のある差ではなかった。

前立腺肥大治療薬との関係について

 次に前立腺肥大について、英国で前立腺肥大に対する5-α還元酵素阻害薬の処方が始まった1992年1月1日以降に、5-α還元酵素阻害薬(デュタステリドまたはフィナステリド)とα遮断薬のいずれか、または両方を処方されていた40歳以上の男性で、診断前には性機能に問題がなく、EDとそれ以外の性機能障害のリスクを持っていなかった人々を選び出し、5-α還元酵素阻害薬のみを使用していたグループ、5-α還元酵素阻害薬とα遮断薬を併用していたグループ、α遮断薬のみを使用していたグループの3群に分けた。

 条件を満たした前立腺肥大患者7万1849人のうち、2011年末までに5814人がEDを発症した。α遮断薬のみのグループと比較すると、5-α還元酵素阻害薬のみを使用していたグループのEDリスクは6%低く、5-α還元酵素阻害薬とα遮断薬を併用していたグループは8%低かったが、統計学的に意味のある差ではなく、3群のEDリスクは同レベルと判断された。

 なお、EDリスクは、5-α還元酵素阻害薬の使用の有無にかかわらず、前立腺肥大の状態が長い人ほど高かった。

 一方、ED以外の性機能障害は、薄毛患者の104人、前立腺肥大患者の232人に認められた。ED以外の性機能障害とは、射精障害、心理的な性機能障害、性欲低下など。EDの場合と同様、これらの性機能障害リスクについても、5-α還元酵素阻害薬の服用で高まることはなかった。

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最終更新:10/18(火) 9:09

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