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“ボンボンの変人”が社会を救う? 宮沢賢治の異常な愛情

nikkei BPnet 10/18(火) 9:17配信

 ここはとあるビジネス雑誌の編集部。団塊ジュニアでマンガ好きなオタク上司(40代・独身)と、ゆとり世代の部下(20代・彼女あり)は若者向けページを担当している。編集長は「最近の若い奴は恋愛しないそうじゃないか? 最新のビジネスパーソンの恋愛事情を調べるんだ!」と言ってくるが、仕事ばかりの二人にはなかなかピンと来ない。じわじわと冷え込んでくる晩秋の夜、部下が仕事を終えて帰宅しようとすると……。

●賢治は「悲劇の天才」ではなかった?

上司:おう、おつかれさま。そういえば、夏休み、まだ取っていなかったんじゃないの?

ゆとり:ええ、まだなんですよ。なんとか今月中には休みを取って東北の方に行こうと思ってますけどね。彼女が宮沢賢治ファンでして「生誕120周年だから岩手の花巻に行きたい」と言ってるんですよ。

上司:宮沢賢治ファンの彼女!

ゆとり:ど、どうしたんですか? べつに普通でしょ?

上司:キミの方はどうなの、賢治は好きなの?

ゆとり:そりゃ好きですよ。『銀河鉄道の夜』は小学生のころ読みましたし。

上司:どんな話だったか覚えてる?

ゆとり:ジョバンニとカムパネルラが……えっと、あれ? なんだったっけ? うーん……、まあ、あのネーミングとか文体が独特の感覚で僕は好きなんですよ。だからストーリーはわりとどうでもいいというか……。

上司:そう、確かに賢治の作品はなんだかよくわからんけれど、どんな作家にも似ていないロマンティックな雰囲気があるよね。

ゆとり:大作家ですよ、ホントに。……でも、悲劇の天才ですよね。

 生前はほとんど無名で結婚もせず、結局、貧乏なまま若くして死んじゃった。「雨ニモマケズ」も泣けますよね。生きてるうちに認められないのって芸術家にはよくあることですけど、本当にかわいそうだなぁ、と。

上司:フフン(笑)

ゆとり:えっ、なんすか?(鼻で笑いやがった!)

ゆとり:違うね! 宮沢賢治はちっともかわいそうじゃない。

ゆとり:な、なに言い出すんですか、全国の賢治ファンが黙ってませんよ! 

上司:彼は薄幸の天才なんかじゃない。むしろ恵まれた環境を生かして好き放題やった「誇り高き変人」なんだよ。

ゆとり:ちょっと待って下さい、ぜんぜんわからないっす。僕の賢治にケチをつけた以上、しっかり説明してもらいますよ。

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最終更新:10/18(火) 9:17

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