ここから本文です

方向音痴が歩行実験で描く「不可解な地図」、その原因は?

nikkei BPnet 10/18(火) 9:21配信

 大学にいる研究者は方向感覚について調べるため、1980年頃から、大学生を“実験材料”にした歩行実験を繰り返してきました。クネクネ曲がった道を歩いてもらった後に、歩いたルートをスケッチしてもらうのです。その図を「スケッチマップ」と呼びます。

 このとき方向感覚がいい人のスケッチマップは、実際の歩行ルートをそのまま描写したようなきれいな地図になります。しかし、方向音痴のスケッチマップは、現実離れした「不可解な地図」になるケースが大部分でした。

 それを詳しく分析した結果、研究者たちは「方向音痴の5大特性」をまとめあげました。(1) 方向音痴は歩いたルートをスケッチマップに描くことができない (2) 方向音痴は途中の目印を見ていない (3) 方向音痴は途中の目印を覚えていない (4) 方向音痴は途中で出会った犬や猫や自動車など動くものを覚えている (5) 方向音痴は道に迷った理由を科学的に説明できない

 今回は「不可解な地図」をめぐる「方向音痴の5大特性」に焦点を当てたいと思います。その手始めとして、私の散歩コースを題材にします。

 散歩コースは、自宅を出て、消防署のそばを通ってお城に向かい、お城の中を一周し、昭和の中頃まで鉄道が走っていた軌道の跡道を進み、トンネルをくぐります。それから大学のそばを通り、隣にある運動公園のを一周した後、再び鉄道が走っていた跡道に戻ります。

 そして、大きな病院の近くで太い道路に出て、スーパーがある角を曲がり、幼稚園と企業の社宅とお墓のそばを通ります。さらに、緑に覆われた道路を進み、大地主さんの古い屋敷と新しい高齢者向け施設を通りすぎると、自宅に戻ります。歩いて1時間15分くらい、距離にして6キロ以上のコースです。

 旧城下町であるために、道路は「碁盤の目」状ではなく、かなり複雑に走っています。ただし、地図を正確にトレースすると煩雑になるため、ここでは少し簡略化しました。

 全体的な特徴は、「自宅周辺をグルッと一周している」「お城を一周している」「運動公園を一周している」、という3点です。私はこの散歩コースをほぼ毎日歩き、回数でいうと数千回は歩いていますが、1万回には達していません。またこの街は私の出身地ではありません。

1/9ページ

最終更新:10/18(火) 9:21

nikkei BPnet

記事提供社からのご案内(外部サイト)

nikkei BPnet

日経BP社

日経BP社が運営するプロフェッショナルのためのビジネスキュレーションサイト。仕事に役立つ先端情報に最速でアクセス。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。