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防災月間に何もできなかった人こそ『みんなの防災ハンドブック』

日経トレンディネット 10/18(火) 12:11配信

 じわじわと売れ続けている『4コマですぐわかる みんなの防災ハンドブック』。東日本大震災半年後の2011年8月に発売され、5年で9回の増刷を経て発行部数6万部に達している。

【関連画像】防災月間に何もできなかった人こそ『みんなの防災ハンドブック』

 4コママンガでポイントをざっくりと表し、その背景や根拠をコラム風に併載。すっと読めて学べる項目は、全部で180に及ぶ。著者は雑誌のカットを中心に活躍してきたイラストレーターで、自身の子育てが阪神大震災の年に始まったこともあり、防災関連の勉強会や訓練等に積極的に参加してきた防災意識が高い人物だ。だが、知識も経験も人並み以上に備えている自負を持つなかで東日本大震災に直面し、パニックに陥った。

 防災に本当に必要な知識や心構えとは何なのか。自身の覚書にと震災の10日後からブログで被災の心得を発信していったところ、編集者の目に留まり本書の出版に至る。

 本書は、「はじめに」から「我が家の3.11」までの全16章構成。備え、状況別対策、非常時の工夫、メンタルケア、避難生活などテーマごとに章が分けられている。「はじめに」で「想定外は毎年やってくる」と防災意識を高める必要性や「世界の大地震の2割は日本で起きている」など日本が世界有数の地震大国であることが示され、第一章「地震・災害に備える」へとつなげられていく。第一章では「家具の固定」「防災グッズ」などの基本情報から、「アレルギー対応食の備蓄」「フィッシングベストの活用」など応用的な視点まで25項目が収められている。東日本大震災後に話題となった、安否確認や帰宅路確保の問題などにも、もちろん触れられている。

 章によって項目数は数点から約30点までと大きく異なるが、章立て通りに読み進める必要もないため、読みやすい章から目を通すも良し、気になる章を先に読み通すも良し。通勤時などのすきま時間にマンガ部分だけを一読し、マンガの横に添えられているコラムは寝る前や休みの日などに熟読するような読み方もできる。

 防災・危機管理の仕事に30年以上かかわってきた防災・危機管理ジャーナリストが監修者を務めているのも、本書が広く受け入れられている一因。

 防災の日である9月1日から始まる9月は、各地で“防災月間”として防災意識を促進する活動が多く展開されている。防災関連の新刊も狙ったように発売されるが、必要なのはその知識をしっかりと身に付けること。幅広い知識や視点が必要とされる分野だけに、視覚的に情報を把握しやすい4コママンガでざっくりと概要をつかみ、そこから深堀していくというのも有用な手段なのだ。「今年も何もできなかったな」と振り返る羽目になる前に、手軽なマンガで一歩を踏み出してみては?

『4コマですぐわかる みんなの防災ハンドブック』

草野かおる

 事前の心構えや準備はもとより、実際に被災したらどうするか、非常時にはどのような対策やアイデアが役に立つかなどを、具体的に示した防災ハンドブック。状況別地震対策に「会社」「おふろ」「スーパーマーケット」など思い浮かべやすい場面から「エレベーター」「車の運転中」「大雪」など細かに17ものシチュエーションを取り上げるなど、幅広い。

(ディスカヴァー・トゥエンティワン/1200円)

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最終更新:10/18(火) 12:11

日経トレンディネット

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