ここから本文です

中国客の「爆買い」が“強制終了”した3つの理由

nikkei BPnet 10/18(火) 12:42配信

 中国の建国記念日(国慶節)である10月1日から始まった中国人にとってのゴールデンウィークが終わった。現地メディアによると、過去最高の600万人がこの時期、海外旅行に出かけたという。人気の旅行先トップ3は韓国、タイ、日本だが、昨年の爆発的な日本旅行ブームは少し落ち着いており、円高の影響があると指摘される(「国庆出境游目的地:韩国最受欢迎 日本退居第3」中国新闻网2016年10月2日)

 そのためか、かつてのように都内のショッピング施設や量販店が中国人観光客で混み合っているという印象はあまりない。これは今年の春節にも見られたことだった。

 筆者は10月1日の正午過ぎ、東京・銀座へ行ってみた。週末の午後は歩行者天国となる中央通りは、確かに外国人観光客であふれていた。だが、そこで見たのは実に多国籍な顔ぶれで、中国客が歩道を埋め尽くしていた昨年や一昨年の年末の光景が記憶に残っていただけに、肩すかしを食らった感じもした。

 メディアは中国人観光客の「爆買い」が終わったと指摘している。筆者に言わせれば、誰かに「強制終了」されたかのような幕切れだった。なぜこうしたことが起きたのか。

 一方、筆者はこれが日本のインバウンド市場の好ましい転機になればいいと考えている。そのためにも、一連の「爆買い」狂騒曲とも呼べる現象が生まれ、終了した背景を、中国側の事情から検証し、今後の行方を探ってみたい。

電気製品やカメラの購入額が大幅に減少

 いくつかの経済指標が中国客の「爆買い」終了を裏付けている。

 たとえば、2016年8月の全国百貨店売上高概況によると、免税品売上高が前年同月比で26.6%減少。ただし、購買客数の減少ではなく、購買単価の下落によるものだ。

【資料】全国百貨店売上高概況(2016年8月)

 中国人観光客の御用達免税店ともいえるラオックスの8月の売上高も、前年同月比マイナス53%と衝撃的な減少ぶりだ。

【資料】ラオックス月次状況報告(2016年8月)

 観光庁が四半期ごとに実施する訪日外国人消費動向調査(2016年4-6月期)では「訪日外国人旅行消費額は9533億円で、前年同期比7.2%増加。ただし、1人当たりの旅行支出は15万9930円で、9.9%減」と報告している。

 なかでも中国の1人当たり支出は21万9996円で22.9%減。ベトナムが中国を初めて抜いてトップとなり、23万8000円だった。数が多いぶん、国別の消費額のシェアは中国がトップで37.0%を占めるが、比率は昨年の40.3%から下がっている。「爆買い」の主人公と目された中国客の消費は、明らかに昨年に比べ減退している。

 報告書では、消費される費目について「電気製品や化粧品・香水では中国、医薬品・健康グッズ・トイレタリーでは台湾と中国の購入率が高い」と指摘する。だが、中国客の「電気製品」の購入者単価は前年同期の6万2316円から3万6630円へ、「医薬品・健康グッズ・トイレッタリー」も4万1225円から3万3479円へと減少。特に「カメラ・ビデオカメラ・時計」は10万3920円から6万246円。具体的な費目の調査からも、中国客の日本での消費シーンが様変わりしていることがうかがえる。

※購入率(その費目を購入した人の割合)、購入者単価(その費目を購入した人における当該費目の1 人当たり平均支出)を指す。

1/4ページ

最終更新:10/18(火) 12:45

nikkei BPnet

記事提供社からのご案内(外部サイト)

nikkei BPnet

日経BP社

日経BP社が運営するプロフェッショナルのためのビジネスキュレーションサイト。仕事に役立つ先端情報に最速でアクセス。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。