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広尾病院移転 都庁幹部から病院長への「圧力」テープ

週刊文春 10/19(水) 16:01配信

 東京都が推進する都立広尾病院の移転を巡る問題で、都庁幹部が都議会自民党幹部の名前を出して病院長に移転を求めていたことが、週刊文春の入手した録音データでわかった。

 2015年1月21日に、佐々木勝院長(当時、現・内閣官房参与)を醍醐勇司・東京都病院経営本部長(当時、現・水道局長)が訪問。移転反対派だった佐々木氏に次のように通告した。

<秋山(俊行)副知事と話をしましてね。先生のお気持ちは分かるが、我が方の案を副知事に了解をいただきました>

 移転の方向で決まったと、醍醐氏は告げ、ある都議の名前を出した。

〈村上幹事長が渋谷区長選に出る雰囲気が。急遽、2月12日だったかな、渋谷で村上先生がパーティーをやるんです。たぶんそれが出陣式、決起集会になると思います。(略)3月議会の調整やっているんですけど、村上さん、自民党幹事長として広尾病院の改築の必要性を質問したいと言っている。こちらも広尾病院の改築の必要性は、十分に認識しているというような答え方をするつもりです〉

 「村上先生」とは当時、都議会自民党幹事長を務めていた村上英子氏(61)。広尾病院が位置する渋谷区選出の都議だった。村上氏は、自民党都議のセクハラ野次問題を受けて、都議会自民党で女性初の幹事長に就任。2015年4月の渋谷区長選に出馬した(落選)。

 この後、都庁は移転を決め、翌年3月に用地取得費370億円を盛り込んだ予算案が都議会自民党などの賛成で、成立した。

 醍醐氏は、取材に次のように回答した。

「執行機関と議決機関は両輪ですから、やっぱり地元の議員さんの了解を得れば移転もしやすい。移転したいという思いは病院経営本部としてあった。ただ。それで決定というわけではなくて。最終的に私の後の病院経営本部長や秋山さんが決めた話です」

 広尾病院の移転決定を巡っては、築地市場の豊洲移転問題と同じく、不可解な動きが表面化しており、今後の動向が注目される。

 週刊文春10月20日発売号では、広尾病院移転問題における“都議会のドン”内田茂氏(77)率いる都議会自民党と都庁幹部との“結託”について詳報している。


<週刊文春2016年10月27日号『スクープ速報』より>

「週刊文春」編集部

最終更新:10/19(水) 16:06

週刊文春

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