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『iPhone 7』のメモリー量とキャリア選びの正解は?

@DIME 10/19(水) 7:10配信

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は前回に引き続き、『iPhone 7』ついて話し合います。

石野氏:今回の『iPhone 7/7 Plus』、いい端末だと思うんですけど、デザインは変えてほしかったなという気持ちが正直あります。だからこそ、ジェットブラックとブラックに予約が集中した。ほぼ同じデザインの『iPhone 6/6 Plus』を使っていた人が買い替えるなら、そりゃ新しい色を選びますよ。その新しい色で数が少ないのはどういうことだと(笑)。

房野氏:これから買う人も多いと思いますが、新しい『iPhone 7/7 Plus』の価格についてはどう思いますか?

石野氏:安くなった感じ。

石川氏:リーク情報時点で256GBモデルが出るという話があったから、ものすごく高くなるんじゃないかと思っていたんですけど、意外とそうでもないからお買い得感が出てきた。でも、10万円を超しているし、決して安いわけではないので錯覚に陥っているだけかもしれない。

房野氏:私は64GBで良かったんですけどね。

石野氏:128GBの価格は、以前の64GBの水準と変わらないですよ。

法林氏:最初に16GB、64GB、128GBの価格が表示された後、容量を2倍にしましたといってバーンと発表された。価格はそのまま容量を大きくしたという演出だった。

石野氏:すぐ使い物にならなくなる16GBモデルがなくなったのは素晴らしい。

石川氏:容量が足りなくなってiPhone初心者を悩ませる16GBね。

石野氏:音楽をそれほど聴かず、写真をどこかにバックアップできて端末内から削除できれば、32GBでも行けそうな気がします。

房野氏:64GBモデルを持っている知り合いが、写真や音楽を入れてトータル40GBくらいは使っているという話だったので、OSもアプリもどんどん重くなっていきますし、これからは128GBがスタンダードになるんでしょうね。

石野氏:16GBモデルほど、すぐ使い物にならないわけではないという意味で、32GBを最小容量にしたのはいいと思います。Android端末には8GB容量のモデルもあるけど、それはどうかと。いくらSDカードが使えるとはいえ、アプリは基本的に内蔵ストレージに入れるので、8GBだとアプリだけで厳しくなります。

法林氏:32GBも2年経ったときに大丈夫かという懸念はあるけれど。

石川氏:32GBモデルは、今までiPhoneを持ったことない人向けの最初の容量だと思います。

石野氏:そうかなぁ。僕、iPadは32GBです。iPadは用途が限られているので、アプリは決め打ちで、音楽や写真は一切入れていない。そうすると32GBでも大丈夫です。ただ、iPhoneはそういう使い方が難しいというのはありますね。

房野氏:キャリア版とSIMフリー版の価格は、そんなに違いがないですね。

石野氏:月々サポートで調整するドコモ方式も今回なくなっていましたし、公取委の一件もあるので、普通の値付けになってきたという感じ。思っていたほど高くなかったので、だからこそこれだけの予約数になったんじゃないでしょうか。

房野氏:3年目以降は違約金なしでいつでも解約できるコースも選べるようになっていますが、どうでしょうね。

石野氏:これまでとあまり変わらず、2年の割賦で買うんじゃないでしょうか。

法林氏:それが一番安い。

石野氏:今回は20GBデータ容量の「ギガモンスター」「スーパーデジラ」とかに入る人も増えそう。

■主要キャリア3社でネットワークへの考え方が違う

石野氏:今回、KDDIは下りの速度が上がっていなくて、他の2キャリアに比べてネットワークが弱いんですよね。

法林氏:3キャリアそれぞれ方向性が違うんだよ。

石川氏:ドコモは最高スペックをアピールしている。電波を束ねるキャリアアグリゲーション(CA)の3波対応(3CC CA)、『iPhone 7/7 Plus』の1.5GHz帯対応の2つによって、下り375Mbpsを実現するという分かりやすさを狙っている。ソフトバンクは容量。数多くの人に対して電波を割り当てるMassiveMIMO(マッシブマイモ・電波のシェアを複層に行い、限られた周波数帯を有効に使う方式)で全体の容量が上がる。ソフトバンクは聞くところによると、基地局のベンダーが違ったり基地局を置いている場所が違ったりするので、CAがしにくいからMassiveMIMO推しになっている。

法林氏:補足すると、各社が提供しているLTEにはFDD-LTE(複数の周波数で上り下りを分割する方式)とTD-LTE(上り下りを時間毎に区切って同じ周波数帯で通信する方式)という2種類の方式があって、ソフトバンクはTD-LTEとFDD-LTEの基地局設備のベンダーさんが違う。TDはファーウェイで、FDDはエリクソン。TDとFDDでベンダーさんが違うからCAが難しい。対策としてMassiveMIMOをやるんだけど、MassiveMIMOはファーウェイが非常に得意なので、今回TD-LTEでMassiveMIMO導入ということになった。

石川氏:KDDIは何をしているかというとULCA(uplink carrier aggregation)。つまり、上りの電波を束ねるCA。今までKDDIの上りは圧倒的に速度が遅かった。総務省の実効速度調査でもダントツでビリ。それがULCAに対応するので、一応改善することになる。ドコモはスペック、ソフトバンクは容量、KDDIは上りのキャパシティ、ということで各社戦略が違っているので、電波の違いでiPhone 7/7 Plus選びの基準とするのも面白いと思います。

法林氏:auは実効速度、つまりユーザーの体感速度向上を狙っている。FDD-LTEの場合、下りと上りは同じ幅で別の周波数帯を使っているんだけど、TD-LTEは同じ周波数帯の中で、時間軸で下りと上りを割り当てる。下りと上りの割り当ては3対1と、上りに割り当てている時間が少ないので、上りの速度がどうしても遅くなる。技術的にTD-LTEと同じWiMAX 2+だと、どうしても上りが遅くなる。じゃあ周波数を束ねよう、というのがULCA。これでWiMAX 2+のエリアは上りが最大20Mbpsになる。

石野氏:10Mbpsが20Mbpsになるだけなんですよね。ちょっと大げさだなと思って。

法林氏:もう1つ。実はauは、2GHz帯を全部LTEで使える。ソフトバンクとドコモは、2GHz帯を3G用にも残さなくてはいけない。auは、スマホのほぼ全機種がカバーしている2GHz帯の20MHz幅を全部LTEに当てることができるので、実効速度を稼げるだろうという狙いがある。その代わり、800MHz帯で3Gを残さないといけないはずだけど。

 CAにもいろんな束ね方があるんだけど、3波束ねるドコモの3CC CAは、2GHz帯、1.7GHz帯、800MHz帯を束ねるでしょ。ところが、1.7GHz帯は東名阪地区しか使えない周波数帯なので、効果を得られる人は限定的。また、混雑しているところで束ねても、つまりちょっと空いているものを束ねても、そんなに速くはならない。その点、2GHz帯をフルにLTEで使えるauが少し有利。

石野氏:KDDI(au)はそこら辺を大げさに言うことが多くて、本当に効果があるのか、まだ確信できないんですよね。

石川氏:電波はタイミングによって有利不利がある。有利なときは「ウチがスゴイ」というし、不利なときは黙っているし。それでいうと……

石野氏:KDDIは静かですね。

石川氏:「TD-LTEやります」のときに比べると静かかなあ。苦しいときこそ実効速度が大事だという。

■ドコモがネットワークでは優位か!?

房野氏:ユーザーがキャリアを選ぶときに、この地域ならここがいいというような選びのポイントになるようなことはあるでしょうか。

石野氏:最近、auは都市部で厳しい気がします。建物の奥に電波が来ていないことが多い。

法林氏:電波の評価はすごく難しい。本当に場所によって違ってくるので一概には言えないんだけど、ドコモ>au>ソフトバンクという順番は変わらないというのが僕の正直な気持ち。ただ、都市部のビル街の奥の方に関しては、ここしばらくauは厳しいかな。でも、地方であったり、登山口などでソフトバンクだけ圏外とかつながらないとかいうのはざらにある。

石川氏:それでも昔に比べれば3社拮抗している感じがする。

石野氏:僕の感覚では、都市部だとドコモ>ソフトバンク>auで、地方だとドコモ>au>ソフトバンク。やっぱりドコモは安定していていいなと思いますけど、逆に800MHz帯でLTEをばーんと構築しているauしか電波が入らないようなところもあるので、場所によりけりというところがある。

石川氏:一概には言えないなあ。

法林氏:つながりやすさだけでキャリアを選ぶのか、料金も加味するのか。料金も差がなくなってきているので、なかなか難しいところですね。

石野氏:とりあえず電話ができればいいという人もいれば、データ通信の速度が速くなきゃ困るという人もいるので、指標が違ったりすると難しいですね。まあ、でも僕の生活圏で普通に使っている限りだと、ドコモ>ソフトバンク>auの順番。auは上り速度が遅いのがキツイ。その対策としてのULCAなんでしょうけど、10Mbpsが20Mbpsになって、そんなに良くなるかな。ドコモは最大50Mbpsだし、ソフトバンクも最大38.5Mbps。だから、KDDIはあまり大きな声で宣伝していないんだと思います。

......続く!

次回は10GB、20GBの特大サイズになった、各キャリアの“ギガモンスター”サービスについての会議です。ご期待ください。

@DIME編集部

最終更新:10/19(水) 7:10

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