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新世代キャデラックCT6を試乗──日本でも売れそうな新しい高級車

GQ JAPAN 10/19(水) 21:11配信

キャデラックのプレスティッジセダン、CT6が日本でも走り出した。その直前に米国西海岸で乗ったところ、従来のイメージをくつがえす活き活きとしたクルマで、日本車やドイツ車とも一線を画す出来なのだ。

【キャデラック新型CT6の動画とフォトギャラリーはこちら】

キャデラック CT6は、全長5mを超える車体にV6とフルタイム4WDシステムを組み合わせた最新の米国製セダンだ。最新のという中には、安全装備の数かずも含まれる。フロント歩行者対応ブレーキ、サラウンドビジョン、赤外線を使ったエンハンスドナイトビジョンといった最前線のセイフティ装備が盛り込まれている。加えてリアカメラミラーや、タッチパッド付きインフォテイメントシステムや、アップルカープレイや、ワイヤレスチャージングなど、快適装備も充実している。

僕がキャデラック CT6に乗ったのは、サンフランシスコから南下してペブルビーチまで。クルマを受け取ったのはサンフランシスコ空港だった。空港前の道はかなりの量の交通だが、縦型のLEDポジションランプにより、すぐにCT6だとわかる。車体を描く線は明確でシャープ。いっぽうボディパネルの面は太陽光線を美しく反射していた。上質の雰囲気はすぐわかる。美しいプロポーションのなかに、個性がちゃんとあるのだ。

サンフランシスコから南下していくと海沿いの美しい景色を楽しめるだけでなく、ハイウェイ1からすこし内陸に入るとワインディングロードが連続する変化に富んだ環境でもある。朝夕は渋滞するけれど、そうでなければクルマが楽しめる道なのだ。CT6のV6はエンジン回転の上昇とともにぐいぐいと加速する気持ちよさがまず印象的だ。

ワインディングロードでは車体のロールは抑えられ、小さなカーブが連続する道で気持ちよく走っていける。滑りやすいなど路面の状況が悪かったり、強くアクセルペダルを踏み込んだりしないかぎり、基本的に後輪に大部分のトルクが配分される設定だ。ステアリングホイールはやや重め。でも前輪がどこを向いているか繊細な情報として把握できる。すぐに運転を楽しむために作られたクルマだとわかった。

キャデラック CT6には日本やドイツの高級セダンと共通点と相違点、ともにいろいろある。比肩しうる点は先進的安全装備や快適装備のレベルでトッププラスであることと。それに余裕あるサイズの車体であるにもかかわらず走りが楽しめるところ。きわだっている点は美しいスタイリングと、乗り心地を含めた快適な室内空間だ。

米国で最初に接したせいだろう、5.2mというボディサイズを意識しなかった。僕にとってそれは幸運な出合いだったかもしれない。機敏な動きゆえ、もっとコンパクトなセダンを操縦しているような感覚をずっと持てたからだ。ときとして小さなコーナーを通過するとき車重を意識することもあったが、それでも意外なほどスポーティだ。キャデラックが「フュージョンフレーム」と呼ぶ軽量ボディフレームに加え、リアサスペンションに後輪操舵機構が備わっているのも貢献しているのだろうか。

僕たちは米国車と米国のハイテク民生品を区別して考えがちだけれど、CT6では両者がしっかり手を組んでいる。スマートフォンを接続しておけば音楽だけでなくメールやハンズフリーフォン機能が楽に使えるアップルカープレイを備えているうえ、ハイファイはBOSEがこのクルマのために専用開発した34個のスピーカーからなるサウンドシステム「パナレイ」採用。長い距離の移動が多い米国ゆえ、移動時間をむだにしない配慮がゆきとどいている。

僕がもうひとつ感心したのは後席だ。3110mmもある長いホイールベースの恩恵で、じつに広々している。前席に身長が高く脚が長い米国人ドライバーが座っても、空間的余裕が減じられることはほぼない。米国車独特と表現したくなる、しっとりした手ざわりのレザー張りのシートは座り心地もよく、振動も騒音も抑えられた空間は、ドライビングに加え、もう一つの魅力になっているのだ。後席にもBOSE「パナレイ」サウンドシステム用スピーカーが抜かりなく配され音楽環境をしっかり楽しめるようにもなっていた。

文・小川フミオ

最終更新:10/19(水) 21:11

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