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子どもを諦める年齢に・・・この先どう生きて行けば? [mi-mollet]

講談社 JOSEISHI.NET 10/19(水) 18:00配信

Yukoharuさんからの質問
Q.子供を諦めざるを得ない年齢に... この先、どう生きていけばいいのか分かりません

30代はずっと子供が欲しくて頑張ってきましたが、40歳になり、夫婦二人で生きていくことを決めました。正社員として仕事もしているし、夫もいるし、家もある……。幸せですか?と聞かれれば幸せです。でもぽっかり空いた穴は何をしていても埋まりません。最近、同僚の40代女性が妊娠したため、「諦めちゃうの?」と無神経な言葉を投げかけられます。どんな気持ちで諦めたのか、どんな気持ちで今過ごしているのか、他人には分からないことだと思うので仕方ないのですが、やはり心の穴はどんどん大きくなるばかり。これからの10年20年、そして孤独が待っているであろう老後に向けて、何を心の糧に生きていけば良いのでしょう?

特別ゲスト 金子稚子さんの回答
A.心の穴と同じだけの大きなものを、アナタは手にしているはず。 そこに目を向けられる心のゆとりが生まれることを、願っています。

まずお伝えしたいのは、「夫婦二人で生きていくということを、よくぞご決断されましたね」ということです。命に関わる問題の決断をするのは、本当にきついこと。不妊治療を続けるか、やめるか……。Yukoharuさんがこれまで抱えられてきた想いを想像すると、私は涙が出ました。

私たち夫婦も、子供を作ることを希望しておりましたが、結果的に授かりませんでした。私たちの場合は、夫が病気を発症し、その治療のために、子供を諦めざるを得ない薬を使うか使わないか、という決断をする必要もありました。

実は当初、お医者さんは私たちに、その薬による治療を提案しなかったのです。そのような薬があると伝えれば、「使って子供を諦めるか、使わずに子供を授かる可能性を残すか」という悩みが深まることを思ってのことでしょう。でも私は別の先生からその薬の存在を知り、即座に「もちろん使うでしょう!」と答えました。

私がこのように即座に決められたのは、それまで子供について夫としっかり話し合ってきていたから、というのが大きかったと思います。子供をなかなか授からなかったときに、「不妊治療はしない」とも決めていましたし、それ以外にも今後の生き方など、様々なことを決めていました。

それだけに、決めるということがどれだけ厳しいことか、私なりに分かっているつもりです。そしてその厳しさは、経験したことがない人には分かるわけがないことも。ですから、「諦めちゃうの?」と言う人たちは本当に無神経だと思いますし、一方で、分かるわけがないのだから仕方がない、とも思うのです。

それでも分かってほしいなら、そのメッセージを発信し続けるしかないと思います。でもそれよりも、ご自身の心の穴を見つめる、このことのほうが今のYukoharuさんには必要なのではないでしょうか。

今、心の穴はどんどん大きくなるばかり、と感じられているとのこと。この感覚は、大切な人と死別したときと同じだと思います。その死別を経験した私が今、4年の時を経て感じていることは、心の穴を埋めるものはない、ということです。穴は穴としてあり続けるし、乗り越える必要もない。ただ、その穴と同じだけの大きな何かを自分は手にしている、ということもまた確かです。それが何なのか――、子供がいたら得られなかった出会い、体験、使命――、それにこれから気づけるかどうかは、Yukoharuさん次第です。

今はまだお辛いと思いますが、少し心の余裕が生まれてきましたら、そちらにもどうか目を向けていっていただけたら……と願っています。

それまでは、焦らず一歩一歩丁寧に生きられることをお勧めいたします。食べたり、飲んだり、歩いたりといった、日常の小さな行為を丁寧に味わうことを……。辛いときは、食べ物の味なんて分からないかもしれません。でも食べること自体を味わっていると、苦しいと感じ続けているその状態にほんのかすかな隙間を感じる一瞬に出会えるかもしれません。それを、少しずつ広げていくということを、まずは意識してみて下さい。

10年も20年も先のことを考えて、焦る必要はありません。だって、穴は埋まらないですし、埋める必要もないのですから。

いかがですか?
金子稚子さんの回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE
金子稚子(かねこわかこ)
1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

最終更新:10/19(水) 18:00

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