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日本人に英語は必要なのか?日本語の時代は来るのか --- 神谷 匠蔵

アゴラ 10/19(水) 16:31配信

前回(http://agora-web.jp/archives/2022007.html)までの記事で日本人の英語力について色々と論じて来たが、今回は日本人にとって英語が必要なのかどうかを論じたい。

なぜ他の外国語ではなく「英語」が必要なのか

何故英語が必要なのか。それは英語が事実上国際共通語(lingua franca)として使用されているからだろう。「英語を学べば視野が広がる」云々という議論も見られるが、はっきり言って英語を学んでもさして視野は広がらない。というのも英語メディアの情報は比較的日本語に翻訳されているし、日本人の知っている「海外情報」の大部分は英語メディアに由来しているからだ。本当に視野を広げたいならば、むしろ英語以外の外国語を学ぶべきだろう。従って「視野」論は英語必要論の根拠にはなり得ない。

だが、共通語である英語を話せることは、やはり海外で就職する際、あるいは日本企業の代表者として海外で仕事をする際に必須のスキルであるのは間違いない。要するに、日本人が国際的に経済活動(あるいは学術・芸術活動等)を行う上で英語を話せる必要がある、というのが英語必要論の最大の根拠であろう。

英語不要論の根拠

実際「英語は必要だ」と主張する論者は、多くの場合「国際競争」や「グローバル化」を明白に意識している。例えば以下に抜粋した斎藤剛史氏の主張(http://www.sankei.com/life/news/160322/lif1603220026-n1.html)などはその典型例だろう。

“グローバル化は、「大人の理屈」に過ぎないのかもしれません。それでも英語力は、これから確実に必要になります。英語を使う環境を身近に設けたり、なぜ英語が必要なのかということをより具体的にイメージさせたりすることが、子どもたちには必要なのではないでしょうか。”

だが、この種の言い方は逆に「これから必要になる、ということは、いま現在は必要ないということだろう」とも解釈できる。実際論者もそう思っているからこそこういう言い方になるのかもしれないが、「今の時代、英語は絶対に必要です」ではなく、「これから英語は必要になります」と言わざるを得ない点に、英語必要論の弱点が露呈している。

つまり、理論上は日本人が国際的に活動する際に「英語は必要であるはず」なのだが、現実には「日本人は英語ができない」と散々言われつつも日本人および日本企業は既に十分「グローバル」に活躍しているのだ。

前述の通り元々英語必要論における「必要性」の核心的根拠は経済的有益性である以上、実務の世界で英語が話せずとも成功している人が多数いる状況では英語必要論は空疎なお題目にしか聞こえないだろう。これが英語不要論に説得力を与えている背景であると思われる。

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最終更新:10/19(水) 16:31

アゴラ

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