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インバウンド終了が噂されるなかで、拡大する日本企業の中国依存――帝国データバンク調査で判明

HARBOR BUSINESS Online 10/19(水) 9:10配信

 インバウンドブームも一段落し、中国国内外で景気の減退が噂されている。今月13日に中国の税関当局が発表した貿易統計も、こうした懸念を裏付ける結果となった。

 まず輸出に関しては、先月の輸出額は1845億ドルと、前年の同月に比べて、10%も減少し、6か月連続前年割れ。また、輸入額もプラスチックや工作機械などの取引が振るわず1425億ドルと、前年同月比で1.9%減少し、2か月ぶりの前年割れとなった。具体的な数値上でも、中国経済の減速はより明確なものとなっている。

 そんななか、民間の調査会社である帝国データバンクは、同社のデータベースなどをもとに、中国への進出が判明した日本企業について分析。’16年8月時点で、前回調査(’15年6月)に比べて678社多い、1万3934社あることが明らかになった。景気減速が懸念される中国国内で進出拡大を続ける日本企業はどうなるのか。同社のリポートを読み解きたい。

◆製造業の構成比は低下し、小売業が上昇

 業種別に見ると、最も多いのは「製造業」の5853社で、全体の42%を占め、これに「卸売業」が4633社、「サービス業」が1705社で続いている。これら上位3業種のみで、合計1万2191社と、全体の87.5%を占めていた。

 また、前回調査と比べると、「製造業」と「卸売業」の構成比は減少し、その代わりに「小売業」や「サービス業」など3業種の占める割合が増加し、企業規模の増加を後押ししていた。

◆年商「10億円以上、100億円未満」が最多

 年商規模別では、最も多かったのが、年商「10億円以上、100億円未満」の企業の6058社で、構成比の43.5%を占めた。とりわけ、「製造業」「卸売業」「サービス業」などの3業種では、年商「100億円以上、1000億円未満」が前回調査から大幅に増加しており、売上規模の大きな企業が中心となっていた。

 また、「運輸・通信業」「不動産業」では、年商「1億円未満」の中小規模の企業が増加していた。

◆34都府県で進出企業が増加

 さらに本社所在地の都道府県別では、最多は「東京都」が4743社で構成比34%となった。また「大阪府」の2096社、「愛知県」の1103社を加えた上位3都府県の合計は7942社と、全体の半数以上の57%を占めるほどとなっている。

 前回調査との比較では、34都道府県で進出企業数が増加し、横ばい、または減少となった13県を大きく上回っていた。

 こうした調査結果を受けて帝国データバンクは、「持続的な成長を目指す日本企業にとって、約 13 億人の巨大市場を有する中国は無視できない存在となっており、今回調査では小売業を中心に販売拠点としての進出も進んでいる」とコメント。

 しかし、その上では以下のように注意も促している。

「昨年 9 月に民事再生法を申請した第一中央汽船など、倒産に至る企業も散発的に発生しているほか、中国事業の縮小や撤退を検討する企業もある。また、中国独自の商習慣や法制度により、進出した地域によっては、日本企業が撤退時に思わぬ労力を強いられることもある」そうした意味では、中国進出企業、あるいは撤退を検討する企業の業績に与える影響に引き続き注目する必要があるだろう」

参照:帝国データバンク「第4回中国進出企業実態調査」

<文/HBO取材班>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:10/19(水) 9:10

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