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20代は「インプットモード全開」にするべきだ

東洋経済オンライン 10/19(水) 8:00配信

→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。初めまして。私は25歳で外資系金融機関に勤務する者です。私大卒で自分の学歴にコンプレックスを抱いており、米国弁護士の資格(MBAや日本・米国公認会計士取得者は多くいるので)を取得して、英語+法律の知識でチームメンバーと差別化を図りたいと考えておりますが、多額の費用に加え要する勉強時間を考えると、オンラインJDプログラムに入学する一歩が踏み出せません。
そこで、ベンチャー、事業会社、コンサルなどを経験されている安井様から、金融・財務の世界における法務知識の有用性(どのようなアップサイドがあるのか)、また、もし同じ立場であればどのような判断をなさるのか、お答えいただけると幸いです。よろしくお願い致します。
投資銀行 長谷川

■M&A業務は「総合格闘技」型の職種だ

 外資系金融機関の具体的事業内容(投資銀行、バイサイド投資家など)や、たとえば投資銀行でもM&Aアドバイザリー業務なのか、フィックストインカムなのか、その対象は不明ですが、コンサルなどにおける経験をベースに回答をということから、以下、「投資銀行におけるM&Aアドバイザリー業務にかかわる話」という前提で回答させていただきます。

 さて、投資銀行におけるM&A業務というとファイナンスのイメージがありますが、業務に必要とされる知識や能力はファイナンスに限らず、企業経営や特定業界にかかわる知識、法律知識に加え、営業力やプレゼン力も必要な、総合格闘技型の職種です。

 そもそもM&Aそのものが多角的な視点から判断するべきものである以上は、当然のことといえます。

なぜ総合力が求められるのか

 これは投資銀行に限らず、事業会社などに経営上意思決定のためのアドバイザリー業務を行ういわゆるプロファーム全般、たとえば私がいたような戦略コンサル会社においても言えることで、戦略コンサルが戦略論や企業経営にかかわる知識だけで通用するということはなく、やはり総合力が求められるものです。

 なぜならば、M&Aを含めこと経営に関する問題を解決するという視点で物事を考える際には、必ず複合的な視点が求められるからであり、そのような問題提起をしたり相手を説得しようとすると、どうしても単一の視点ではなく、ある程度の総合力が求められるシーンが多いからです。

 たとえばM&Aアドバイザリー業務も、通常は投資銀行、経営コンサル、法律事務所、会計事務所など、多岐にわたる専門家が共同で作業をするわけですが、それらのとりまとめ業務を行うのは通常、投資銀行やコンサルであるという事実もあります。

■法律や会計の知識は、あるに越したことはない

 そういった複眼的視点を持ったチームをコントロールし取りまとめるという意味でも、投資銀行マンとしても、法律や会計、企業経営の知識があるに越したことはないわけですし、ある程度のランク以上では間違いなく必須となってきます。したがって、そのような会社において上を目指すのであれば、ファイナンスをベースとしつつも、プラスアルファが必然的に求められることになります。

 投資銀行においてファイナンス知識だけではいつまでもエクセルマシーンのままですし、コンサル会社において戦略論の知識だけではいつまでもプロジェクト回転マシーンのままです。

 アソシエイトやマネジャー未満のクラスではそれでよいのかもしれませんが、やはりそれ以上に行こうとするとそれでは全然物足りません。

 そういった世界、つまり投資銀行のようにファイナンスの知識があることを前提としているような職場においては、ファイナンスの知識・経験という一本勝負では、どうしても勤務年数による経験値の差から年功序列的になる傾向がありますし、単一の土俵内における勝負だけでは、結局、周りの皆と均一化してどんぐりの背比べ状態になる、ということになりかねません。

 ですから、プロファームにおいては、業務で必要とされる特定知識をマスターすることにとどまらず、プラスアルファの知識を持って、周りの他者から自分自身の差別化を図ることは当然するべきことなのです。

 そのこと自体に迷うべきではありません。資格を取得するかどうかや、どの分野という議論は別としても、複合的な視点を身に付けるためのプラスアルファの勉強は、職業柄、もはや必須とお考えください。その意味で長谷川さんのお考えは正しいとは思います。

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最終更新:10/19(水) 8:00

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