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阿蘇山噴火、これから何に警戒するべきか

東洋経済オンライン 10/19(水) 6:00配信

阿蘇山が10月8日午前1時46分に36年ぶりとなる爆発的噴火を起こし、1万メートルを超える噴煙を立ち上げた。幸い死傷者は出なかったが、場所によっては火山灰や噴石が1メートル以上も降り積もった。
この噴火は熊本地震と関係があるのか。今後、さらに大きな噴火が起こる可能性はあるのだろうか。

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■地表へ放出されたマグマはわずか

 気象庁によると、今回の阿蘇山の噴火は地下のマグマの熱で地下水が沸騰した「マグマ水蒸気爆発」だという。噴き上げた噴石や火山灰の大部分は火口を塞いでいたもので、地表へ放出されたマグマはわずかであるようだ。しかし山体直下のマグマが活発化したことは確かであり、地震の影響で阿蘇山が活動的になり、近いうちに大噴火に至るのではないかと心配になるのは当然だろう。

 地震が噴火を誘発した例はいくつか知られている。20世紀以降にマグニチュード9クラスの超巨大地震は6度発生しているが、そのうち5例では1年以内に震源近隣の火山が噴火している。唯一の例外はあの「3.11」である。ただこの場合でも、幸い噴火には至らなかったが、たとえば蔵王山、吾妻山、八甲田山などの東北地方の活火山では地震発生後にマグマ溜まりの異常が観測された。

 地震が噴火を誘発するのは、超巨大地震の前後で地盤の状態が劇的に変化するからである。地震前にぎゅっと押し縮められていた地盤が、地震発生によるゆがみの解放で突如伸びた状態になるのだ。すると火山直下のマグマ溜まりも引き延ばされる。その結果マグマ溜まり内の圧力が下がり、ビールの栓を空けたときと同じようにアブクが発生して、マグマが地表へあふれ出すのだ。

 熊本地震でも地震発生後に地盤が引き延ばされたことが確認されている。その結果地下数キロメートルにあると考えられる阿蘇山のマグマ溜まりは30~40センチメートルほど膨張したようだ。ただ、このマグマ溜まりの小規模な変化が今回の噴火につながったかどうかはよくわからない。

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最終更新:10/19(水) 7:45

東洋経済オンライン