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スマホ“実質0円”販売禁止の次に総務省が狙うこと

日経トレンディネット 10/19(水) 12:11配信

 2015年に突如巻き起こった総務省による携帯電話の料金引き下げに関する議論。その結果、2016年の携帯電話市場では大きな変化が起きている。さらに総務省は、競争活性化に向け、新たな議論を進め始めた。10月から実施されている「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」から、総務省の新たな狙いが見えてきた。

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●昨年のタスクフォースの影響を大きく受けた今年の携帯市場

 2016年の携帯電話業界を振り返るにはまだ早いが、総務省が業界全体に大きな影響を与えたのは間違いないだろう。

 2015年9月に、安倍晋三首相が携帯電話料金の引き下げを検討するよう発言したのをきっかけに、同年10月より総務省のICTサービス安心・安全研究会が「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」を開始。議論の中でまとめられた問題点の解消を総務省が大手キャリアに求めた。今年はその結果が反映されてきている。

 中でも、大きな影響を与えたのが、タスクフォースの結果を受けて総務省が4月に打ち出した「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」だ。同ガイドラインでは、従来キャリアのビジネスにおいて“常識”とされていた、端末を実質0円、あるいはそれを割り込む価格まで引き下げ、割引額を毎月の通信料でまかなう販売手法が、通信料の高止まりを招くうえ、新規参入事業者の成長を阻害するなど公平性を欠くと指摘。「スマートフォンを購入する利用者には、端末を購入しない利用者との間で著しい不公平が生じないよう、端末の調達費用に応じ、合理的な額の負担を求めることが適当である」として、実質0円販売を事実上認めない方針を打ち出した。

 これを基に総務省は、端末価格を0円前後まで値引くキャリアに対して行政指導を実施した。最近では10月7日にも、大手キャリアがクーポンの送付により不適正な端末購入補助を行っていたと指摘。NTTドコモとソフトバンクが文章で是正の要請を、KDDIが口頭注意を受けたほか、KDDIの連結子会社で、沖縄で携帯電話事業を展開する沖縄セルラーに対しても、注意を要請した。その結果、大幅な値引き販売はほとんど姿を消している。

 総務省の影響はそれだけではない。今年の初めに大手キャリアが相次いで、月額5000円程度で音声通話込み、1GBの高速通信容量が利用できる安価な料金プランを出したのに加え、2年縛りの影響を受けにくくする仕組みや料金プランも導入。KDDIは、長期利用者優遇サービスの「au STAR」を開始するなど、これまでキャリアがあまりやりたがらなかった施策を相次いで始めている。

 携帯電話業界の商習慣に対して厳しい目を向けているのは、総務省だけではない。独占禁止法を運用する公正取引委員会も、8月に「携帯電話市場における競争政策上の課題について」という報告書を公表。総務省と同様、大手キャリアの値引き販売などに対して、厳しく指摘しているほか、国内での中古端末の流通量が少ないことを問題視。キャリアだけでなく端末メーカーに対しても、端末の中古販売を制限することには問題があると明言している。

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最終更新:10/19(水) 12:11

日経トレンディネット

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