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訪日外国人は日本の伝統芸能をいつでも気軽に楽しめるか?

nikkei BPnet 10/19(水) 18:15配信

 中国人の「爆買い」が終わり、「モノからコト(体験)」に消費の対象が移り変わり始めていると言われる。そうした中国人訪日観光客への対応として、今、何がポイントになるのかを考えてみたい。

●日本人もかつてはブランド品を買いあさった

 振り返れば、5~10年前にニューヨークやパリへ行くと、中国人観光客が次第に増えていくのがわかったものである。たとえば、ニューヨークの五番街は中国人であふれていた。

 しかし、ニューヨークでミュージカルを観に行くと、まだ中国人はそれほど多くは来ていなかった。観光でショッピングを楽しむのが一般的だったからだ。一方、日本人は当時、モノよりもむしろ文化的な体験にお金を使うことが多かったように思う。

 実は、今でこそコト消費を行う日本人も、かつては中国人のようにモノ消費に熱中していた時期がある。バブル景気の頃、大挙して日本人観光客が押し寄せ、ニューヨークやパリで高級品を買いあさっていた。ブランドショップに行っては、「あの棚にあるものが全部欲しい」と豪快に買い物をする日本人が見られたものである。

 そうしたモノ消費の時期を経て、今では日本人観光客も、より成熟した、文化的なコト消費を楽しむようになっている。その意味では、中国は日本の消費の発展を追いかけていると言える。

中国の国内事情が「爆買い」ブームにブレーキ

 ここ数年は、日本においても、中国人が「爆買い」という形でモノ消費を進めてきた。この「爆買い」を当てにして、日本企業も中国人向けのさまざまなビジネスを展開してきている。

 ただ、中国の国内事情が日本での「爆買い」ブームにブレーキをかけつつある。というのも、中国政府が中国人旅行客の海外での消費を抑制しようとしているからだ。

 中国はこれまで投資が経済を引っ張ってきたが、成長が一段落した今、投資ではなく国内消費の重要性が唱えられている。「消費するなら国内ですべき。海外で消費するな」とばかりに、中国政府が海外からの持ち帰り品の関税を引き上げるなどいろいろな規制を始めた。その結果、日本での「爆買い」も、これまでの勢いを失いつつある。

 そうした政策的な流れも踏まえたうえで、中国人観光客も、かつて日本人がそうであったように、モノをひたすら買うことから、サービスや文化的な価値にお金を使うようになってきている。中国人観光客の消費行動が、「モノからコト」へと、徐々にシフトし始めているのだ。

 では、そういう変化に対して、日本側はどのような対応をすべきなのだろうか。これまでは、「日本には素晴らしい紙おむつがある」「日本には素晴らしい電気製品がたくさんある」ということで「爆買い」を促してきた。それがコト消費に移った時、日本には彼らがお金を費やすだけの文化がどれだけ存在するだろうか。

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最終更新:10/19(水) 18:15

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