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ブラック企業が話題なのに…なぜ「労働組合」は減少?

R25 10/20(木) 7:03配信

社員の働く環境を良くするため、会社に対してさまざまな運動を行う「労働組合(労組)」。メンバーは社員自身であり、経営陣と労働条件を交渉するのが主な活動で、「土日に組合活動に動員される」なんてビジネスマンもいるかもしれない。

とはいえ、最近は“賃上げ”が話題になる「春闘」こそ毎年の風物詩として話題になる一方、そのほかに「労組」の運動が取り上げられるケースは少ない気がする。かつてよく行われていた「ストライキ」もあまり聞かない。実際にその数はどう推移しているのだろうか?

■労組は、ここ数年で減っている
そこで見てみたいのが、厚生労働省の「労働組合基礎調査」だ。これによると、2010年には2万6000以上あった労組の数が、5年間で毎年1%ほど減り続け、2015年には2万5000を下回っている。同じ期間における組合員数の総計を見ても2015年のみ0.3%増えたが、それまでは毎年0.2~0.9%減少。雇用者数に占める組合員数の割合を表した「推定組織率」も、2010年の18.5%から、2015年には17.4%まで下がっている。

明らかに労組の数や加入者は減っている模様。これにはどんな理由があるのだろうか。日本労働組合総連合会(連合)の河合弘樹氏に聞いた。

「労組の組織率が下がっている大きな理由は、産業構造と雇用形態の変化にあると思います。製造業からサービス業、IT関連産業への構造変化に加えて、バブル期以降の企業の経費削減による非正規雇用の増加に、労組の組合加入活動が追いついていないのだと思います」

加えて、かつてより「労使関係は成熟した」と河合氏。「日本の場合、労使協議の仕組みがある程度浸透しており、ストライキなどの争議行為を行う前に、労使協議や団体交渉で解決することが増えているのでは」と続ける。

■ブラック企業に悩む人のための労組とは
とはいえ、最近はブラック企業の問題や過剰な残業も取り沙汰される。こういった面で労組のニーズが高まり、それが数に反映されてもよさそうだが…。

「 “ブラック企業”といわれる企業には、労組を持たないケースが多いです。社員2名でも組合をつくるのは可能ですが、人数が少ないと、どうしても社員同士が労組をつくって会社と交渉する動きは起こりにくいもの。そのため、数字に表れていないと言えます」

この問題を解消するため、近年は会社に属しているか否かにかかわらず、個人で加盟できる労組である「ユニオン」も増えている。労組といえば会社内で組織するケースが多かったが、ユニオンは個人単位のため、転職や休職しても加盟し続けられる。「連合も各地にユニオンがあり、労働関連の相談や、場合によっては組合員の雇用企業と労使交渉を行います」(河合氏)

非正規労働者を対象としたユニオンも出ている。実は先述の労働組合基礎調査によると、2010年は72万6000人だったパートタイム労働者の組合員数が、2015年には102万5000人まで急増中。非正規社員の労働環境が「ブラック企業」の例として挙がることも多いが、それに関連しているかもしれない。

働く人が苦しむケースは今もたくさんある。ユニオンなどを含め、労組の役割や最新事情を知っておくと、いざという時の助けになるかもしれない。

(有井太郎)

(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

最終更新:10/20(木) 7:03

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