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星のや軽井沢、二期倶楽部…子供も喜ぶ「極上」の宿

NIKKEI STYLE 10/20(木) 7:47配信

 12歳以下のお子様のご宿泊はご遠慮いただいております――。宿探しをしていて、こんな「決まり文句」に肩を落とした経験がある子育て世代も多いのではないだろうか。おもちゃや漫画が所狭しと積まれたファミリー向けペンションや、個人から団体まで老若男女でにぎわう観光ホテルなら、小さな子供がいても気兼ねなく利用できる。だが、子連れでも、いや、子連れであればこそ、ときには非日常の空間で思う存分くつろぎ癒やされたい。そんな親の望みがかない、子供も笑顔で過ごせる「家族みんなのお気に入り」が見つかれば、記念日など家族旅行の選択肢はぐんと広がってくる。

■星のや軽井沢

(長野県軽井沢町) 「最高級」を家族全員で楽しむ
 星のや軽井沢は、浅間山麓に連なる山あいに位置する滞在型の温泉リゾート。東京からだと新幹線とシャトルバスを乗りつぎ1時間半ほどでアクセスできるが、いったん足を踏み入れるとそこには、都会の喧騒(けんそう)がはるか遠くに感じられる別世界が待っている。
 「谷の集落」と呼ばれる敷地の中央には、千曲川支流の湯川から分岐した川がゆるやかに流れ、起伏に富んだ地形に寄り添うように、77室からなる離れの客室棟が点在。くねった小道を散策すると、歳月を感じさせる自生の樹木、そこかしこに彩りを添える野の草花、小さな滝が流れる棚田など、どこか懐かしく、それでいて新鮮な風景が次々に現れる。

 「界」「リゾナーレ」など星野リゾートが手がける宿泊施設の中でも「星のや」は、“圧倒的非日常″を追求する最高級ブランド。それだけに子連れにはハードルが高いと思いがちだが、意外にも宿泊に年齢制限はなく、キッズルームや託児サービスまである。軽井沢の文化や自然に触れるアクティビティや施設も充実していて、家族全員が楽しく快適に過ごせるよう、さまざまな視点から配慮がめぐらされている。
 特に人気なのが、隣接する野鳥の森を拠点にエコツアーを開催する「ピッキオ」による、「野鳥の森ネイチャーウォッチング」などの自然体験ツアー。普段うかがい知ることのできない森の生き物の暮らしぶりをのぞくのは、大人でもわくわくする体験だ。他にも水引作り、線香花火など昔ながらの遊びや工作、信州ならではの食文化体験、蛍観賞や今冬から始まるスケートなど、四季折々の催しが用意されている。子供が乗馬やそば打ち体験(いずれも対象は小学生以上)、おやき作りに参加している間、親は食事やスパを心おきなく楽しむ、といった過ごし方もできる。
 施設側に特別の事情がない限り、星野リゾートは「ファミリー歓迎」の姿勢を貫く。その理由を星野佳路代表は、「団体の酔っ払い客の世話とは対照的に、子供たちが普段できない体験をしたり、家族が絆を深めたりするお手伝いができるのは、社員にとっても楽しくうれしい仕事。リゾートを運営するうえで社員のモチベーションは不可欠だから、家族はできるだけ受け入れたい」と説明する。星のや軽井沢広報の久保紀子さんも、「家族連れはスタッフとの接点も多い。結果として『また会いたくて来ました』などとお声がけいただいたり、リピーターのお子様が年々成長していく様子を見守ったりできることは、私たちにとって大きな励みになっています」と話す。

 星のや軽井沢では、滞在客がそれぞれの好みや生活リズムに合わせて食事場所を選ぶ「泊食分離」が基本。子供向けメニューやルームサービスだけでなく、近隣にはモダンなレストランやカフェが軒を連ねる温泉街「ハルニレテラス」もあり、選択肢は幅広い。食事に限らず、百人百様の過ごし方ができる独特の滞在スタイルは、多様なニーズを抱えるファミリー層にもマッチしているといえそうだ。
【星のや軽井沢】住所:長野県軽井沢町星野電話番号:0570-073-066(星のや総合予約)HP:www.hoshinoyakaruizawa.com子供の利用:可(年齢制限なし)。小学生以下は定員数を上限に添い寝可。中学生以上は大人と同料金。
■二期倶楽部(栃木県那須町) 広大な森が遊びと学びの場

 二期倶楽部は那須高原山麓の森の中にある隠れ家のようなブティックリゾートだ。4万2000坪(約14万平方メートル)と東京ドームほぼ3個分の敷地に対し、客室は41室。手入れが行き届いた美しい森にはさまざまな動物が生息し、初夏は渓流や田んぼに蛍が舞う。敷地内には自家菜園もあり、参加者が自分で収穫した無農薬野菜をトッピングして焼き上げるピザ作り体験なども行っている。イワナを釣ったり、カブトムシやクワガタを捕ったり、宿泊客は敷地内で心ゆくまで自然を満喫できる。
 「お客様との一期一会の出会いを二会、三会と積み重ね、生涯にわたるお付き合いを」。そんな願いを名称に込める二期倶楽部では、「1986年の開業から今年で30周年。当初からお越しいただいているお客様の家族構成も変わり、ごく自然にお子様も受け入れるスタイルになった」(二期リゾートマーケティング部次長の村井孝行さん)という。
 二期倶楽部ではホテルを「子供がマナーや立ち振る舞いを学ぶ場」としてもとらえている。「ちいさな紳士・淑女のみなさまへ」と題した子供向けのカードには、「みんなのための場所では、いつもより少しだけしずかにしましょう」「虫や鳥、さるに会ったら、石をなげたりしないで、そっとみてあげてくださいね」など、自覚を促すメッセージが書かれていて、スタッフが直接子供に声がけすることもある。
 文化や芸術活動にも積極的に取り組んでいて、隣接する提携施設「アート・ビオトープ那須」では、とんぼ玉や絵付けなど、陶芸やガラス工芸の作品づくりに挑戦することもできる。赤ちゃん連れには、手や足を型どった砂にガラスを流し込んで作る文鎮が、成長の記録にもなる記念品として人気だ。
 会員制ではないが、価値観や美意識に共感して別荘感覚で利用する人が多く、リピーターが大半を占める。「子供の頃家族で訪れてくださった方が、大人になってカップルで、あるいはまたご自分のお子様といらっしゃる。何世代にもわたり、人生の節目節目で大切な思い出を積み重ねていただけたら」と村井さんは話す。

【二期倶楽部】住所:栃木県那須郡那須町高久乙道下2301電話番号:0287-78-2215HP:http://www.nikiclub.jp/子供の利用:可(年齢制限なし)。小学生以下は添い寝可。中学生以上は大人と同料金。
■ロテル・デュ・ラク(滋賀県長浜市) 全15室 湖畔のオーベルジュ

 客室数わずか15室のロテル・デュ・ラクは、審査基準が厳しい世界的なホテルブランド「スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)」に加盟している、日本では10軒しかないホテルの一つ。ソムリエの田崎真也氏がプロデュースするワインと琵琶湖や近江の食材を用いたフレンチのマリアージュや、豊富なメニューから好きなものを好きなだけ頼める「オーダービュッフェスタイル」の朝食が好評だ。
 「2008年の開業にあたり、お子様を受け入れるべきか、さまざまな議論がありました」と話すのは、滋賀県で物流やリゾート業を手がける新木産業の常務で、ロテル・デュ・ラクの経営を担う田中秀和さん。琵琶湖を眼下に臨む閑静な環境だけに、「何もしない大人だけのぜいたくな時間」「大人のお籠もりホテル」といったコンセプトを前面に打ち出す手もあった。それなりの対価を受け取る以上、他の宿泊客からクレームを受ける可能性もある。

 それでも最終的に田中さんが子供の受け入れを決めたのは、「両親によく連れて行ってもらったホテルで、スタッフの方が自分を子供扱いせず“一人のお客様”として接してくれたことが子供心にうれしかった」という、自身の幼少期の思い出があったから。「子供時代の経験は記憶に残りやすいし、その後の人生にどんな形で影響するか分からない。旅はさまざまな価値観や感性に触れる絶好の機会。できるだけその土地ならではの自然や食、文化など″本物″を味わってほしい」との思いもある。
 もともと大手企業の保養施設だったという4万坪(約13万平方メートル)の敷地には、ナイター完備のテニスコートや広々したプールもある。敷地内では野生のシカやサルを見かけることもしばしばで、カブトムシやクワガタなど昆虫採集にもうってつけ。刻一刻と変わる雄大な琵琶湖の眺めは、いつまでも見飽きることがない。そんな大自然や都会にはない静寂を求め、東京からわざわざ訪れる人も少なくない。

【ロテル・デュ・ラク】住所:滋賀県長浜市西浅井町大浦2064電話番号:0749-89-1888HP:http://www.lhotel-du-lac.com/子供の利用:可(年齢制限なし)。小学生以下は1室2人まで添い寝可。中学生以上は大人と同料金。
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最終更新:10/20(木) 7:47

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