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働けなくなった時にも公的保障がある 民間保険は「入りすぎに注意」

NIKKEI STYLE 10/20(木) 7:47配信

 人生のリスクの中で大きいものの一つに、「病気やケガで働けなくなる」が挙げられるでしょう。それまでと同じように収入が得られなくなれば、描いていたライフプランが崩れることに。あまり考えたくないこの事態にどう備えるべきかお伝えします。

■収入の3分の2程度を保障する「傷病手当金」

 今は健康でバリバリ働いていても、予期せぬ病気・ケガの療養で仕事に就けなくなる可能性は誰にでもあります。ただそんな時でも、いきなり収入がなくなるわけではありません。まずは勤め先の就業規則をチェックし、休職中の給与の扱いを確認しておきましょう。法的な支払い義務はないのですが、給与の支払い条件が決められている会社もあります。会社からの給与が支払われない場合も大丈夫。「公的保障」による下支えがあります。

 まず、病気・ケガの原因が「業務災害」や「通勤災害」だった場合、労災保険から「休業給付」が受けられます。「業務災害」とは残業を含む勤務時間内の、仕事上の行為や仕事場の施設・設備の管理状況が原因となった災害を指します。ケガだけでなく業務との因果関係が認められる病気にかかった場合も対象です。給付額は目安として休業前の収入の8割程度で、再び労働できるようになるまで給付される手厚い制度です。

 プライベートの時間に原因がある病気・ケガの場合も心配無用。健康保険制度に含まれている「傷病手当金」があなたの助けになります。3日以上連続して休んでいる場合に4日目から、最長1年6カ月間、欠勤した日数分、目安として収入の3分の2程度の額が受け取れるのです。健康保険組合によっては、給付額の上乗せや給付期間延長といった「付加給付」で手厚くなっているところもあります。

■「障害年金」の受給資格を確保することが最優先

 傷病手当金の給付が終わる1年6カ月を超えても仕事に就けない状態であれば、「障害年金」の対象になることも考えられます。年金事務所か「街角の年金相談センター」で相談しましょう。

 障害年金には、国民年金の基礎年金部分が担う定額の「障害基礎年金」と、厚生年金加入者が受け取れる上乗せの「障害厚生年金」があります。「障害基礎年金」は、初診日(障害の原因となった病気・ケガで初めて医師の診療を受けた日)から1年6カ月経過して障害等級1級・2級に当たると認定された場合に、その障害が続いている間ずっと支給されます。身体だけでなく精神の障害も対象です。年金額は年度ごとに改定され、2016年度は、例えば障害等級1級の状態となった人に加算対象となる子供が2人いる場合、142万4125円です。

 「障害厚生年金」では、2級より軽い障害状態の場合の3級も対象となります。年金額はそれまでもらっていた給料の額により違いますが、「ねんきん定期便」を元に目安を計算できます。手元の「ねんきん定期便」で「これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額(A)」と「これまでの年金加入期間(B)」の2つの数字を調べましょう。例えば、加入月数300月(25年)未満の人が1級に認定された場合、「(A)×300月÷(B)×1.25(+配偶者の2016年度の加給年金額22万4500円)」と計算すればOK。(A)が30万円、(B)が120カ月、年収850万円未満の配偶者がいるというケースでは、「30万円×300月÷120月×1.25+22万4500円=116万2000円」と見積もれます。300月以上の加入期間がある人の場合は「(A)×1.25」です。

 なお、障害基礎年金をもらうためには、初診日の前日において、次の(1)(2)どちらかの保険料納付要件を満たしている必要があります。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金加入期間に、3分の2以上の加入期間(保険料免除期間を含む)があること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
 会社員など厚生年金の加入者は給与天引きで保険料を支払うから漏れることはありませんが、自営業者など「国民年金第1号被保険者」の中には未納という人も。また、意識していない人も多いですが学生も国民年金への加入義務がある「第1号被保険者」なのです。障害基礎年金の受給資格がなくなってしまうのは、生命保険に入らないよりずっと怖いこと。まずはベースの保障を確保することが大切です。

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最終更新:10/20(木) 7:47

NIKKEI STYLE

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