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難しい政治話も、漫画にすれば分かりやすい! ベテラン風刺漫画家が描く日本の「まんが政治」

ダ・ヴィンチニュース 10/20(木) 6:30配信

 最近見かけた風刺漫画に、安倍晋三内閣総理大臣と民進党代表の蓮舫氏が登場していた。蓮舫代表の二重国籍問題などが扱われており、うまくオチをつけているなと思ったものである。作者の佐藤正明氏は政治の風刺漫画を描いて30年のベテランであり、さすがの熟練ぶりというべきか。そんな氏が描いてきた政治漫画だが、このたび『まんが政治vs.政治まんが――七人のソーリの一〇年』(佐藤正明/岩波書店)という一冊の書籍にまとまった。

 著者によれば「30周年。歌手であれば記念リサイタルでも行うところ。自分でも何か……と考えていた折、(中略)書籍化のお話をいただきました」と、自身でも「渡りに船」だったと語る。出版にあたり「ここ10年から」という提案の元、約2000作品の中から選りすぐられた漫画を収録。最近の話題に絞ったことで、掲載作品の多くが読者の記憶にも残っているような出来事を扱っている。

 例えば本書のスタートとなる2005年の9月13日。これは同年9月11日に行なわれた衆議院議員総選挙を受けての作品だ。いわゆる「郵政選挙」と呼ばれたこの戦いで、小泉純一郎氏率いる自民党は圧勝。選挙ポスターと絡めた自民党と民主党(現・民進党)の明暗を巧みに描いている。この頃の自民党の強さが印象に残っている人も少なくないはず。「小泉劇場」とも呼ばれた、マスコミを巧みに利用したイメージ戦略により自民党を圧倒的な政権与党へと押し上げたのだ。

 しかし自民党の凋落は、小泉氏が任期満了により自民党総裁を退任したところから始まった。本書には計7名の「ソーリ」が登場するのだが、それはここ10年の間に7回もソーリが代わっているということなのである。政治に関する国民の信頼は、この期間で一気に失墜したといっても過言ではない。

 任期満了を迎えた小泉氏の退任を受け、自民党総裁となったのは安倍晋三氏だ。いわずと知れた現在のソーリだが、このときは「第一次」政権ということになる。今でこそ安定政権を維持しているが、当時はそうでもなかった。漫画では教育基本法改正の強行採決や閣僚の失言問題などが取り上げられ、冷や汗をかく安倍氏の姿が描かれる。そしてあの「消えた年金問題」が起こり、自民党は参議院選挙で惨敗。いわゆる「ねじれ国会」となった。以後、福田康夫氏、麻生太郎氏とソーリは代わるが、常にこのねじれ現象に苦しめられることになる。

「あなたとは違うんです」と捨て台詞を吐いた福田氏や漢字の読み間違いでたびたび風刺漫画に登場する麻生氏により、自民党は国民からの信頼を失う。結果、2009年8月30日に行なわれた衆議院選挙で大敗し、野党へと転落することに。

 国民からの大きな期待を背に誕生した民主党政権。しかし期待が大きな失望へと変わるのに、そう時間はかからなかった。特に民主党初のソーリとなった鳩山由紀夫氏は、頻繁に風刺漫画の対象に。「トラスト・ミー」「友愛精神」などの迷言を残し、普天間飛行場移設問題などを処理しきれずに辞任した。続く菅直人氏の政権下で、あの「東日本大震災」が発生する。福島第一原子力発電所への対応もはなはだマズく、この政権も短命に終わった。すでに死に体であった民主党政権は野田佳彦氏がソーリに就任するも、次の衆議院選挙で自民党を打ち破る力は残っていなかったのである。

 こうして風刺漫画で政治をみると、分かりづらいと思っていたことが不思議とすんなり頭に入ってくる。振り返ればここ10年の日本の政治は、本書のタイトル通り「まんが政治」のようであった。そんな「まんが政治」を描く「政治まんが」とでは、果たしてどちらがより滑稽なのか。そんな想いを込めて著者はこれからも、風刺の効いた作品を我々に提示し続けてくれることだろう。

文=木谷誠

最終更新:10/20(木) 6:30

ダ・ヴィンチニュース

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