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スマートハウスは住み手の感情に寄り添えるか

JBpress 10/20(木) 6:10配信

 スマートハウスは、どうすれば日本でこれからもっと普及するのだろうか。横浜市が主催したスマートハウスに関する研究会で、そのヒントが示された。

 「環境と健康」を重要な成長産業分野と捉える横浜市では、産業振興政策の一環として、エコハウス(省エネ住宅)ビジネスの活性化を図ろうとしている。

 同市は今年から「EcoHouseBusiness(エコハウスビジネス) 研究会」を立ち上げ、エコハウス市場への参入とビジネス拡大を果たしたい建設・住宅関連企業に向けて、様々なテーマでセミナーや情報交換会、勉強会を開催している。2016年10月3日、神奈川産業振興センター(横浜市中区)で定例の研究会が開催された。

 今回のテーマは、「スマートハウスの最先端ICT技術・居住者レビュー」である。法政大学デザイン工学部建築学科専任講師の川久保俊氏、サステナブル経営研究所所長の後藤貴昌氏、Connected Design副社長の福西佐允(すけみつ)氏、リスト経営企画部経営企画課の相澤毅氏の4人が講演を行い、スマートハウスを活用して省エネ住宅ビジネスを新たに創出し、拡大するための手がかりを探った。

■ 客観的な数値やデータを集める

 住宅の購入や建て替え、リフォームを検討している人に、スマートハウスのメリットをどう伝えればいいのだろうか。研究会で示されたポイントは3つ。すなわち、(1)頭で理解してもらう、(2)体で感じてもらう、(3)感情に寄り添う、である。

 なお、「スマートハウス」という言葉は、元々はエネルギーマネジメントシステムの導入によって環境性能を向上させる「省エネ住宅」(エコハウス)を意味していたが、最近はITを活用して安心・安全性能や利便性、快適性を向上させる住宅(「インテリジェントハウス」「コネクテッドハウス」と呼ばれることもある)も含むようになってきた。以下で使う「スマートハウス」という言葉は、エコハウスやインテリジェントハウス、コネクテッドハウスなどを総称しているのでご承知おきいただきたい。

 さて、1つ目のポイントは、住む人にメリットを頭で理解してもらうことである。具体的には客観的な数値やデータを提示して納得してもらうことだ。

 最も分かりやすいのは、いくら公共料金が減るのか、いくら支出が減るのかといった経済的メリットの提示だろう。たとえば、サステナブル経営研究所 所長の後藤貴昌氏が講演の中で示した数字はきわめてインパクトがあった。

 後藤氏は2014年3月から、神奈川県藤沢市の「藤沢サスティナブル・スマートタウン」(SST)内のスマートハウスに居住している。SSTはパナソニックの工場跡地に開発された、約1000世帯が住むスマートタウンである。すべての住居と施設が省エネ家電、省エネ住宅、エネルギーマネジメントシステムなどを導入し、町全体で「創エネ・省エネ・畜エネ」の実現を目指している。

 後藤氏の自宅ではエネファームと太陽光発電でダブル発電を行い、余剰電力を電力会社に売っている。後藤氏によると、都内(練馬区)のマンションに住んでいたときは、電気代、ガス代、水道代を合わせて年間で26~28万円ほどかかっていた。それが2014年にSSTに引っ越してから、2015年は一気に約1万8000円に減少。2016年(9月まで)はなんと約3万9000円のプラスに転じたという。

 スマートハウスのメリット提示に活用できるデータは金額だけに限らない。法政大学デザイン工学部建築学科 専任講師の川久保俊氏は、生活にまつわる様々なデータを収集・分析して、より快適な暮らしの設計に役立てようとしている。

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最終更新:10/20(木) 6:10

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