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韓国ネチズンの間でセウォル号沈没事故の真実を暴いた動画「SEWOL X」が流布。ネット民の執念が史上最悪の事故の真実を暴く

HARBOR BUSINESS Online 2016/12/29(木) 9:10配信

 12月25日のクリスマス。韓国のネット民(韓国ではネティズンと呼ばれている)であるチャロ氏が、一編の動画をネット上に公開し波紋を呼んでいる。

 タイトルは「SEWOL X」(セウォル エックス)。

 2014年4月16日に起きた大型旅客船「セウォル号」沈没事故の原因を追究したドキュメンタリーである。まず驚きなのがその長さ。全編で8時間49分。そのすべてを「セウォル号」沈没事故の原因の究明に費やした。

 例えば、検察当局は事故原因を、「過積載」、「操舵ミス」、「積荷の固縛不良」、「船体の復元力不足(バランス維持力不足)」の4つが複合的に作用したものとして公式に発表した。

 チャロ氏は、この4つの「原因」をそれぞれ、具体的な分析映像、資料、ニュース報道の映像分析、現地調査などで完全否定。「セウォル号」沈没の原因を「外力」と断定している。(ここまでで1時間10分を掛けている)この動画が反響を呼び、超が付くほどの長編にも関わらず、1日で300万回以上も再生されている。

◆「SEWOL X」の反響、ソウル市長も絶賛

「セウォル号沈没事故」は、「崔順実ゲート」事件に揺れる韓国政局においても重要なキーワードとなっている。事故当時、朴槿恵大統領の「空白の7時間」が韓国国民の疑念と怒りを買っており、今回の「SEWOL X」の公開は、事故の真相究明を強く要求する国民たちから賞賛を受けている。

 韓国主要各紙も即日でニュースを配信、国を挙げての関心の高さをうかがわせる。

 特に、ソウル市・朴元淳(パク・ウォンスン)市長はツイッター上で、「犠牲になった子ども達へのクリスマスプレゼントになる。セウォル号は水の中に沈んでいるのではない。人々の偏見の中に沈んでいる」とコメントし、さらに「新しい特別調査委員会を構成し、改めて原点から始めなくてはならない」と真相究明に向けた決意を表した。

 韓国の報道によれば、チャロ氏は先の大統領選直後、大統領選介入疑惑を招いたツイッターアカウントが、国家情報院関係者の名前であると主張し名を上げた。また国家要職に内定していた候補者の政治偏向的なツイッター投稿を見つけだし落選させたりもしている。

 そんなチャロ氏が製作した「SEWOL X」が、9時間弱の時間を費やし結論付けた事故原因は「外力」。具体的な言及は避けているものの、韓国軍の潜水艦による衝突を明確に示唆している。事故当時から、「潜水艦衝突説」は陰謀論としてまことしやかに囁かれた話ではあるが、それを客観的な事実だけを積み上げ証明した「SEWOL X」は、噂や陰謀論ではなく、正真正銘のジャーナリズムであると評価されている。

 しかし公開同日に行われた国防部の定例会見で海軍関係者は「事故当時、海域近くで作戦や訓練はなく、潜水艦が潜航できる海中環境ではなかった」と疑惑に対し一蹴した。

 はたしてネット民の力が“真実”を動かすか――注目である。<文・安達 夕>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:2016/12/29(木) 12:15

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