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ゲイツが「トランプはJFKのようになる」と判断した理由

Wedge 1/7(土) 12:20配信

ビル・ゲイツのエネルギー投資ファンド

 2015年12月にパリで開催された気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に出席したゲイツは、世界の富豪と共に二酸化炭素を排出しないエネルギーへの投資を行う革新的エネルギー同盟構想を発表した。

 トランプとの電話での会話後の昨年12月中旬、ゲイツはこの構想を実行するためのファンド、革新的エネルギー・ベンチャーの立ち上げを発表した。ゲイツが会長に就任予定のファンドの規模は当初10億ドル(1150億円)、出資者にはアマゾンのジェフ・ベゾス、ジョージ・ソロス、アリババグループの馬、ソフトバンクの孫などが名を連ねている。

 ファンドの目的は、二酸化炭素を排出しない競争力のあるエネルギーの開発であり、増殖炉を含む原子力、地熱、風力、太陽光、送電、蓄電技術などへの投資だ。ゲイツによると当初の10億ドルは4、5年間の投資を支える資金とのことだが、最終的な投資規模は未だ決まっていない。

 ゲイツは原子力の新技術開発のためテラ・パワーを立ち上げ、個人資産を投入しているが、このファンドの原子力分野への投資は最大で投資額の25%にし、他分野への投資を主にするとのゲイツの意向だ。低炭素エネルギーのコスト引き下げを実現するための鍵はイノベーションとゲイツは強調している。

 ゲイツは、「トランプ政権は割の良い政策を好むから、低炭素エネルギーのイノベーションも検討すると確信している」と述べている。製造業復活を謳うトランプもエネルギー分野でのイノベーションの重要性を認識しているということだ。

日本が学ぶべきこと

 製造業の雇用が減少した米国では、高賃金の製造業での雇用を求める声がトランプ大統領を作り出したと言えるが、製造業の雇用が減少しているのは日本も同じだ。図‐4の通り、製造業の雇用減少に合わせ平均給与も下落している。

 米国と同じように製造業の賃金水準が相対的に高いのも、図‐5が示す通りだ。1997年をピークに平均給与が減少している日本も製造業の復活がなければ、平均給与も上昇せず、国民の6割を超えた「生活が苦しい」人も減少することはない。

 日本企業は、失われた20年の間イノベーションへの研究・開発投資を増やすことをしてこなかった。日米の研究・開発投資の推移は図‐6の通りだ。これでは、製造業の復活は難しい。政府のエネルギー関係予算も日本では減少している。エネルギー分野でのイノベーションも遅れ、エネルギーコストも下がらず、製造業の競争力にも影響が生じる。

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最終更新:1/7(土) 12:20

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