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決め切るFWと守り切るGK。 青森山田を初優勝に導いた2人のヒーロー

webスポルティーバ 1/11(水) 12:07配信

 観衆の度肝を抜くスーパーゴールが生まれたのは、57分のことだった――。

 GK廣末陸(3年)からの弾丸のようなパントキックを収めたFW鳴海彰人(3年)は、そのボールを右サイドのMF嵯峨理久(さが・りく/3年)に展開。そのままゴール前に走り込むと、嵯峨のクロスを胸でトラップし、落ち際を倒れ込みながらダイレクトでインパクト。青森山田(青森県)の勝利を決定づける3点目を奪った。

【写真】22度目の挑戦で、ついに選手権を制した青森山田

 さらに2分後には、ふたたび廣末のロングキックが起点となり、またしても鳴海がネットを揺らす。この電光石火の2ゴールが、前橋育英(群馬県)を奈落の底へと突き落とした。

 青森山田に悲願の日本一をもたらしたのは、「攻」と「守」のふたりのヒーローだった。「攻」の主役となった鳴海は、この2得点で通算6ゴールとし、大会得点王を獲得。インターハイでも7ゴールを奪い得点王に輝いており、まぎれもなく今年度の高校サッカーにおける最高のストライカーの称号を得た。

 この日決めた2得点は、いずれも点獲り屋としての能力の高さが感じられる見事なものだったが、とりわけ巧みなトラップからフィニッシュに持ち込んだひとつ目のゴールは、とても高校生とは思えないもの。確かな技術と並外れた身体能力の高さがもたらした、圧巻の一撃だった。

 鳴海のプレーの礎(いしずえ)となっているのは、「1本中、1本を決める」という強烈なメンタルにある。並み居る強豪校が集(つど)う全国の舞台では、シュートを打つこと自体が限られる。いかに少ないチャンスを確実にモノにできるか――。それは、ストライカーとしての責任感とも言い換えられるだろう。自分が決めなければ試合には勝てないというエースとしての自負が、鳴海を得点王に導いた最大の要因となった。

 今大会の鳴海は、不思議な感覚にとらわれていたという。

「(U-18)プレミアリーグとかだと、ゴール前で焦ることが多かったんですが、今大会はゴール前でボールに触れば入っちゃうというか。落ち着き過ぎっていうほど、落ち着いてプレーできましたね」

「なぜ?」と問われた鳴海は、首をかしげながらこう答えた。

「やっぱり、最後の大会だからじゃないですかね」

 3年間の集大成となる大会で、鳴海の精神は極限まで研ぎ澄まされていたのだろうか。いずれにせよ、この大舞台で普段以上のパフォーマンスを発揮できるのだから、只者ではない。あこがれのクリスティアーノ・ロナウドをマネたゴールパフォーマンスや、交代後に客席に手を振って応える所作(しょさ)も含め、このストライカーは大物の予感を十分に漂わせていた。

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最終更新:1/11(水) 13:17

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