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残業を減らしたければ部下の「頑張る姿」を評価するな

ダイヤモンド・オンライン 1/11(水) 6:00配信

 長時間労働や残業は、なかなか減らない。その原因として「頑張っている姿」を見せる文化や「残業代が貴重な収入源」という問題もあるが、上司の何気ない言動が部下の頭の中の「優先順位」を崩壊させ、無駄な労働時間を増やしている。(株式会社識学代表取締役社長、組織コンサルタント 安藤広大)

● 長時間労働の根源は 「頑張っている姿」の評価

 長時間労働の要因は、会社側が要求する業務が、個人のキャパシティをはるかに超えているという場合も多いでしょう。その場合の対策は、人員体制、業務の見直ししか方法はありません。

 しかし、長時間労働の要因は、これだけではありません。つまり、長時間労働をなくせる方法は「他にも方法がある」ということです。

 長時間労働の根源の一つは、「頑張っている姿」を評価するという文化です。成果ではなく、「いかに頑張っているか」「積極的に取り組んでいるか」というプロセスが「評価のウエイト」の多くを占めることが要因です。

 「長く働いている」→「頑張っている」→「評価が上がる」ということになるために、むしろ、長時間労働することが、「良いこと」とされている企業が多いというのが現実でしょう。

 そして、もう一つの要因は多くの企業で「時間に対して給料が支払われている」という現実です。これは、現在の日本の法律ではどうする事もできないことですが、このことも間違いなく、長時間労働を助長している要因です。

 長時間労働すれば「評価が上がり」、残業代で「給料も増える」。これでは、逆に長時間労働をしない理由が見つかりません。

 それでは、どうすれば良いのでしょうか。答えは簡単です。すべて「結果」で評価をすることです。そして、その評価と給料を連動させれば良いのです。

 「頑張っている」や「積極的に取り組んでいる」という、抽象的なプロセス評価を取り除き、すべて「結果」という事実で評価をするように切り替えていくことが大切です。

 「長く働いて」と、頑張っている姿を見せることは、まったく評価に値しないということを評価される側にも明確に示すのです。

 評価される側からは、

  「もっと、頑張っている姿も評価してほしい」
「結果だけで評価するなんて、優しくない上司だ」

 という言葉も出てくるでしょう。

 しかし、これを聞き入れている限り、長時間労働はなくなりません。また、部下の成長を阻害する事にも繋がります。

 なぜなら、営利組織においての成長とは、「時間帯あたりの生産性が上がる」ということに他ならないからです。いかに短い時間に、いかに生産性を高めることができるか、という機能を鍛えるためには、プロセスを評価してはいけないのです。

● プロセスを評価すれば 「アピール技術」のみが成長する

 どうして、プロセスの評価をしてはいけないのでしょうか。

 プロセスを評価してしまうと、「いかに時間帯あたりの生産性を高めるか」より、「いかに良いプロセスをアピールするか」に思考が奪われてしまうからです。そして、部下は「アピール技術」のみが「成長」してしまうのです。

 「結果」だけを評価するというのは、営業でいうならば、「売上」という「最終結果」しか評価してはいけないということではありません。

 例えば、「何件訪問した」「何件提案した」というのも「結果」です。レベルに合わせて、求める「結果」を明確にして、それを評価していけばいいのです。

 「別に、長い時間働いていることでアピールをしているわけではない。単純に忙しいから長時間労働になっている」

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最終更新:1/11(水) 6:00

ダイヤモンド・オンライン

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