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将棋連盟がスマホ不正疑惑で指した“悪手”を検証する

ダイヤモンド・オンライン 1/11(水) 6:00配信

 一方、新聞社など少数のスポンサーに依存する「棋戦等契約金収益」は、約20億円だ。絶対額は大きくないが、全体に占める割合は大きい。そして、大きなスポンサーである「新聞」は継続的に部数が減っている斜陽産業だ。

 日本将棋連盟は、将棋をもっとビジネスとして推進できる経営陣を持つべきではないだろうか。

● 谷川会長の辞任で けじめをつけるべきだ

 今回の処置の誤りに対して、日本将棋連盟が考えた引責措置は、谷川会長の三浦九段に対する謝罪と、会長、専務理事、常務理事の幹部三人に関する、3ヵ月間・10分の3の減給措置だけのようだ。率直に言って、軽すぎる。

 三浦九段の来期順位戦A級維持は、三浦九段に対するある種の救済措置だが(しかも、三浦九段も他のA級棋士も納得できないかもしれない不完全な措置だ)、連盟執行部の引責ではない。

 谷川会長は、記者会見で「三浦九段につらい思いをさせた。申し訳なく思っている」と述べたが、本来は「三浦九段に対しては、私の判断の誤りで、取り返しのつかない失礼をしてしまった。心よりお詫び申し上げます」と述べるべきだった。

 また、減給3割・3ヵ月は、おそらく人間の極限に近いくらい腹立たしくもあり同時に胸が潰れそうなほど不安な思いをしていたはずの三浦九段の精神的苦痛に到底釣り合うものとは思えない。まして、連盟が委嘱した第三者委員会の、「連盟の処置は妥当」との結論には、全く納得性が乏しいのだ。

 企業が不祥事を起こしたり、著しい業績不振に陥ったりした場合に、社長が形だけ謝罪して、「社業の立て直しが、私の責任だ」などと言って、社長の椅子に居座り続けると、顧客が腹を立て、社員のモチベーションがダウンし、株価が下がって株主も困るという事例が多々ある。

 日本将棋連盟も主力商品である「プロ将棋の対局の公正性」を限りなく重く見ていることを示すために、ズバリ、谷川会長が辞任すべきではないだろうか。

 プロ将棋のビジネス的ダメージを最小限にとどめるには、谷川九段の会長辞任が、最も低コストでかつ効果の大きなメッセージではなかろうか。

 企業の世界でも、トップが辞めてくれさえするなら、物事が丸く納まったり、ビジネスが被るダメージが大幅に軽減されたりする場合がしばしばある。「必要な時は適切に辞める」ということも、社長やCEOの重要な「仕事」だ。

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最終更新:1/11(水) 6:00

ダイヤモンド・オンライン

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